8機連携でハリケーンを観測する小型衛星群 CYGNSS。台風やサイクロンも精緻に進路予測

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NASAがハリケーンを詳細に観測し、進行方向を予測する小型衛星群 CYGNSS (Cyclone Global Navigation Satellite System)を発表しました。8基の小型観測衛星でハリケーンの中心にある"目"の部分を観測し、詳細なデータを地上に送信します。
 
2005年のハリケーン「カトリーナ」は熱帯低気圧として発生してからわずか2日後にフロリダ半島に到達しました。急激に勢力を強めての上陸したカトリーナに対して気象情報の提供は追いつかず、近隣住民は十分な対策もできないまま甚大な災害に見舞われました。特に被害の大きかったルイジアナ州では1577人もの死亡者を数えます。

それから10年を経て、NASA はまったく新しいハリケーン観測衛星システム CYGNSS の開発を発表しました。CYGNSS は8基の小型観測衛星で構成され、、ハリケーンの"目"にあたる部分を詳細に観測、GPS などとも連携してその正確な位置や風速、進路、高潮などの予測用データを地上に届けます。
 

 
CYGNSS は地球を周回し、2〜3時間周期で南洋上の画像データを取得します。これによりカトリーナのような急激な発達や、突然の進行方向の変化にも対処可能になるとのこと。CYGNSS に使われる衛星の設計は進行しており、NASA における技術レビューも無事通過しました。現在は8基の小型衛星のうち最初1基の製作が8月14日に開始。残りの7基も今後数週間のうちに製作を開始する見込みです。
 

 
小型衛星ひとつあたりのサイズはおよそ50 x 64 x 28cm。飛行機内に持ち込める旅行用スーツケースとほぼ同じ大きさです。また太陽電池パネルを展開した時の幅は約168cm。重さは3.6kgほど。2016年前半には打ち上げ前の試験を行い、打ち上げは2016年後半の予定です。なお CYGNSS システムとして最初のハリケーンの観測は2017年からとなる見込みです。

ちなみに、NASA は CYGNSS でハリケーンを観測するだけでなく、観測によって得られるデータを長期間蓄積し、新しい地球規模の気象解析方法の開発も視野に入れています。また CYGNSS から得られるデータは世界中の気象機関と共有するとしており、ハリケーンだけでなく日本に近づく台風やインド洋のサイクロンの予報にも役立てられることになりそうです。