水虫菌が足についても、その日のうちに洗えば水虫にならない!?

写真拡大

素足で過ごすことが多い夏は、水虫になりやすいって知っている? 「足裏に菌が付着しやすく、汗などで蒸れやすい皮膚や指の間で繁殖しやすいため、実は他の季節よりも夏に水虫になってしまうことが多いのです」と話すのは、フットケア外来を行う皮膚科医の高山かおるさん。水虫を防ぐ基礎知識を教えてもらった。

水虫の原因は白癬菌(はくせんきん)という真菌(カビ)。ケラチンというタンパクを栄養源にして増殖するもので、体のどこにでも寄生するとか。俗にいう“水虫”は足の角質層に寄生して起こる皮膚の感染症「足白癬」のこと。

「白癬菌は皮膚からはがれ落ちた角質の中でも生きていて、素足で踏むと付着します。公共のスリッパ、温泉やスポーツクラブなどの床やバスマット、居酒屋の座敷など、不特定多数の人が素足になる環境ならどこでも、付着する可能性があります」(同)

感染を防ぐには、その日のうちに足を洗って清潔にすること。付着した白癬菌はすぐに角質層の中まで入り込むわけではないので、1日1回きちんと足を洗えば落とすことができるからだとか。

「ただし、軽石などでゴシゴシこすったりすると角質に傷が付き、そこから白癬菌に感染してしまう可能性も。石けんを泡立てて優しく洗うように心がけましょう」(同)

洗った後は、指の間の水分までふき取ることも忘れずに。白癬菌は温度20度以上、湿度60%以上の高温多湿な環境を好むため、しっかり乾燥させることが重要なのだとか。

ちなみに水虫は、種類も症状もさまざまで、症状は3つのタイプに大別されるそう。

◎趾間(しかん)型
足指の間に感染する水虫で、中指と薬指の間にできやすいそう。赤くはれて水疱ができ、皮がむけたり、ジュクジュクして白くふやけたりして、むずがゆくなる。

◎小水疱(しょうすいほう)型
足指の間や、指の腹、足裏、足裏のふちにできやすい水泡を伴う水虫。水泡が集まって赤くなることも。強烈なかゆみが特徴。

◎角質増殖型
かゆみがない乾燥タイプの水虫。足裏が厚い角質に覆われたり、かかとが硬くなってガサガサしたり、皮がむけたりする。ひび割れて痛いことも。

水虫は、放置すると菌が爪の中に入り込んで“爪水虫”を併発するケースもあるとか。いつどこで白癬菌を踏むか分からない素足の季節。家に帰ったら足を洗って水虫を防ごう。

高山かおる
埼玉県済生会川口総合病院皮膚科主任部長。東京医科歯科大学皮膚科特任講師。1995年、山形大学医学部卒業。日本の大学病院では珍しい皮膚科のフットケア外来を開局。専門は、接触性皮膚炎、フットケア、美容。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。