1万円以下の激安タブレットが変わってきた? 地雷ではなく実用になる3つの理由

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最近気になるのが、タブレットの価格の下落だ。今や、3万円を切る格安SIMフリースマホとかわらない価格でSIMフリータブレットが買える。さらに、Wi-Fiモデルなら1万円以下でも入手できるタブレットも充実してきている。

しかし、世の中には「安かろう悪かろう」という言葉がある。
「安いものはそれ相応の品質なので、良いものは無い」という意味だ。

たしかに以前1万円以下の激安タブレットには、そうした製品が多かった。

しかし、今、その定説が崩れようとしている。

●税別9980円のAndroidタブレットはアリか
今回、大手スマホメーカー「Huawei(ファーウェイ)」のご好意により、「MediaPad T1 7.0」というAndroidタブレットを使う機会を得た。

実は「MediaPad T1 7.0」は、7インチタブレットながら販売価格が9980円(税別)と、極めて安いのが特徴なのだ。

OSはAndroid 4.4を採用。
現在の最新版は、Android 5.xなので、OSはひとつ前の世代となる。
ディスプレイは、7インチで、解像度はHD(1280x720)よりも低い、SWVGA(1024x600)となる。
HD未満のディスプレイ採用は、1万円という価格によるためだろうが、これがマイナスとなってない点が、「MediaPad T1 7.0」の長所なのだ。

筆者は、過去にも1万円台のAndroidタブレットを購入しているが、そのどれもが
・動作や反応が遅すぎる
・ディスプレイの視野角が狭く、横から見ると真っ白や真っ黒になる

という残念な製品が多かった。
つまり、以前の1万円前後のタブレットは、「安かろう悪かろう」が多かった。

しかし、「MediaPad T1 7.0」は、これまではとは違い、意外と良かったのだ。

●1万円以下激安タブレット「MediaPad T1 7.0」が「良い」と感じる3つの理由
・IPSディスプレイで視野角が広い
ディスプレイの質は、まさにタブレットの命と言える。
これが「アリ」なのか「ナシ」なのかで評価は大違いなのだ。
「MediaPad T1 7.0」では、視野角の広いIPSディスプレイを採用し、上下左右かなり斜めから見ても、画面が真っ白や真っ黒に反転してしまうことが無かった。
YouTubeやHuluといった動画サービスを利用するにあたって、「斜めから観ても見やすい」は極めて重要だ。


タブレットの評価は斜めから見やすいかどうかで決まる


・フロントスピーカーで音が大きい
本機はステレオスピーカーこそ採用していないものの、フロントスピーカーを採用している。
そのため、動画を視聴する際に音声や音楽が、観ている人に直接届くのだ。
設計に余裕があるのか、最大音量にしても音割れなどの不都合は無かった。

・解像度が低い=悪いことでない 動作がサクサク?
このタブレットは最近でも珍しい低解像度モデルだ。
一般的に画面の解像度は高いほうが良いと思いがちだが、必ずしもそうではない。

解像度を上げると、
画面描画に大きなマシンパワーが必要となってしまう。逆に解像度が低ければ、描画の負荷は小さく、小さなマシンパワーでも表示することができる。

最近のスマホやタブレットでは、解像度を上げすぎて画面描画が十分に追いつかなかったり、発熱が増えたりする機種もある。

「MediaPad T1 7.0」は、CPU性能こそ高いものではないが、スペック相応のディスプレイを採用することで、意外とサクサク動くタブレットに仕上げてあると感じた。

筆者が「良い」と感じた3つのポイントは、そのどれもがタブレットの持ち味を最大に活かせる動画視聴に向いていることを表している。
つまり、「MediaPad」の名の通り、「メディアを観る」タブレットだったのだ。

●動画視聴以外は価格なりの性能
では、動画の視聴以外での「MediaPad T1 7.0」は、どうだろうか。
・ゲーム
ハイスペックを要求するようなゲームでなければ問題なく動作した。しかし、アクションゲームなどでは、やはりカクつきが気になってしまう。

・電子書籍
コミックや小説も問題なく表示できる。しかし、雑誌など細かい字が多い書籍は、解像度の低さから読みにくいと感じてしまった。


解像度が低いため細かい字は読みにくい(決してピンぼけではない)


・カメラ
200万画素カメラを搭載しているが、オートフォーカスも搭載しておらず、カメラは正直「無くてもいいかな」というレベルだ。

・Web、SNS
表示や拡大縮小には問題ないが、解像度の低さのため細かい字は非常に読みにくい。

といった具合だ。

「MediaPad T1 7.0」は、動画や電子書籍など、ビューワ的な利用には良い製品だが、ゲームやカメラなどパソコンかわりに使う用途については、あまり期待しないほうが良いかもしれない。

この9980円のタブレットは、たしかに高いタブレットのようにパソコンかわりの使う用途には向かないが、動画視聴をする人にとっては「うってつけ」な製品だ。もはや、この9980円のタブレットは「安かろう悪かろう」という製品では無くなったと言えるだろう。

今後、こうした低価格のタブレットは、性能を抑えるかわりに、実際に使う機能に特化した使い勝手の良いタブレットへという「実用になる」方向性がトレンドになるかもしれない。

MediaPad T1 7.0 |Huawei


布施 繁樹