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パナソニックが逃げた荒野に、森元さんと僕だけが残った!

「もはやこれまでか…」と、志半ばで倒れた戦国武将のような気持ちです。織田信長公であれば、そろそろ踊りでも始めるタイミングでしょうか。悪の総統なら基地ごと自爆する頃合いでしょうか。2020年東京五輪エンブレム問題。一旦嫌われると、埃が出るまで殴りつづけられるというネットの集合知には改めて畏怖の念を抱かずにはいられません。

広報活動にエンブレムを使用していたパートナー企業も、付き合いきれぬと火事場から逃げ出し始めました。19日にはワールドワイドオリンピックパートナーのパナソニックが自社サイトからエンブレムを削除したという話も広まっていました。焦って解禁初日からエンブレムを使ったりすることなく、ノンビリことを構えていたスローテンポ企業の勝利といったところでしょうか。下手に頑張っちゃったサイト担当者の「入れたり消したり…」という面倒臭さが思いやられます。

そのうちデザインした側も逃げ出すのではないか。そして、また荒れ果てた大地に森元首相と僕だけが残るのだろうか。全員が捨てたエンブレムをプリントしたTシャツか何かを着て。何故ここまで僕と森元首相はシンクロしてしまうのか、だんだん運命的なものすら感じてきます。いっそ森元派に入れてもらえないでしょうか。話題の武藤貴也議員くらいの働きならできるんじゃないかと思いますし。(※なお僕はLINEをやっていないので本会議中にLINEをすることはないとお約束します/ツイッターはするかも)

しかし、たとえ森元さんすら逃げ出したとしても、一旦口に出したものは飲み込めないのです。

どれだけのトートバッグが部下による素材拝借案件であったとしても、どれだけのロゴマークが部下によるアイディア拝借案件であったとしても、それとエンブレムとはまた別問題。「拝借する部下」と「それをスルー納品する上司もしくは架空の部下を作り出す上司」という若干の悪評は立つかもしれませんが、最終的に仕上がったものが別物であるならばソレはソレなのです。『FAIRY TALE』と『ONE PIECE』は全然別の漫画であり、『タッチ』と『H2』と『MIX』は同じ素材を流用しているだけでまったく別の作品なのです。

よしんばあのエンブレムを作るときに、ベルギーの劇場のロゴをPinterestなるサイトで見て、「コレいいっすね」でアイディアを拝借し、チョチョイのチョイでやっつけたものを、身内の褒め殺し出来レースでドドンと大決定していたとしても取り下げる道理はありません。できたものは似た部分があるだけで別物なのですから。似ている理由が「見て着想を得たから」であろうが「偶然」であろうが、それは作った人の今後の評価に影響を与えるだけで、制作物には関係のない話。別物である以上、別物なのです。

坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとは言いますが、引くべき線はキッチリと引くべきです。「全員のご納得」を追求すればキリがありません。僕の中の「このエンブレム嫌いだな」という感情は日増しに高まる一方だとしても、僕やアナタやあなたや貴方を納得させなければいけないという道理はないのです。どうせ、何を出したとしても全員のご納得などありません。僕やアナタやあなたや貴方はご納得対象外であることを自覚すべき。

今思うのは、東京五輪組織委員会にはもう少しことの運びを上手くやってもらいたいということのみ。このように「出てくる坊主を順番に叩いてやろう」という情勢において、ドドンと坊主が出てくればとりあえず殴られて当然です。新型iPhoneだって半年前くらいから小出しにリーク情報が出るじゃないですか。ある程度の仕込みと権利関係の抑えが済んだところで、ちょっと探りを入れたらいいのです。坊主シルエットクイズみたいなもので。そして、ヤバそうならすっとぼけて別のものを出せばいいのです。

ドドンすれば引っ込みはつきません。ドドンしたあとのクレームは突っぱねるしかなくなるのです。本件を貴重な経験として、今後のドドンでは同じ轍を踏まないように気をつけていただきたいもの。なるべくなら、より多くの人のご納得が得られたほうがいいに決まっているのですから。

ということで、言いたいことはあらかた終了しましたが、ちょっとした息抜きがてらに未来を担う子どもの意見とやらを拝聴していきましょう。

◆先入観なくあのエンブレムを見れば、溢れるオリジナリティがある!

ここまでもつれると、あのエンブレムのついたグッズが欲しくなるから不思議です。僕は数年前に「GREEは東京五輪のゴールドパートナーです」という表示のついた紙袋的なものを手に入れたのですが、アレを手に入れたときと同じ気持ちで、あのエンブレムがついたグッズが欲しい。「コレ将来的になくなってるかもしれんレアものやで」という気持ちで…。

↓駅とかに貼ってあるJALのポスター、貴重なので配ってもらえませんかね!

やめろ!鶴丸を一緒に載せるな!

堅固な伝統の上にモダンを載せたものを一緒に並べたら、何かいろいろと際立つじゃないか!

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しかし、このように2015年段階においては評判の悪いものであっても、2020年段階では意外とイケてたりするかもしれません。「せんとくん」だって発表当社は酷評が殺到したらしいですが、一周回ってウケたじゃないですか。アレが発表されてから7年が経ち、奈良県ではいまだにアレをあしらったプレミアム商品券を売ったりしています。未来のことはわからないのです。

そんなおり、Youtubeでダラダラと動画などを見ていたところ、外国のデザイナーのオッサンが投稿している動画で、「ウチの3歳の子どもに歴代のオリンピックエンブレムを見せてみた」というものがありました。ふむ、【利害関係のないデザイナー】【海外の反応】【子どもの意見】と有力な属性を兼ね備えている感じがします。これは参考までに拝聴しておきましょう。

内容としては、オッサンが子どもに「これ何に見える?」と順番に歴代のエンブレムを示し、子どもが答えるというもの。何に見えるかということなので、必ずしもデザインの良し悪しを問うものではありません。ただ、3歳の忌憚ない意見で、もしそれが「ミッキーマウスだね!」とかの答えであったなら、オリジナリティという意味では疑問符がつくでしょう。東京のエンブレムを見て「これはベルギーのリエージュ劇場のロゴだね!」と言われたら、さすがの僕も森元首相にエンブレムTシャツを被せて逃げ出すしかありません。

↓早速確認していきましょう、まずは1984年ロサンゼルス大会から!


子ども:「星…」
子ども:「星が踊ってる」

なるほど、これはそのまんまですね!

↓つづいては1988年ソウル大会から!


子ども:「星…」
子ども:「鳩」

IOCの解説では未来への行進・世界調和を表しているらしいが、鳩かもしれない!鳩サブレもこんな形をしてる!

開会式で鳩も燃えたしな!

↓お次は1992年バルセロナ大会!


子ども:「月と…」
子ども:「星と…」
子ども:「くちびる」

飛び跳ねてる人ではなく唇であると!なるほど、言われてみればそんな感じもする!


↓冬季もいたずらに挟んでみるぞ、1994年リレハンメル大会!



子ども:「ピアノ!」

惜しい、元ネタはオーロラです!

↓マイアミの奇蹟があった1996年アトランタ大会!


子ども:「星と」
子ども:「火!」

見たまんまだから外しようもないか!ちなみに下にある100は「近代五輪100周年」を示すものです!

↓長野が飛ばされてお次は2000年シドニー大会!


子ども:「めんどり」

そうきたか!左向きに鶏の頭が見えるかもしれない!

アスリートが走っているところとか、ブーメランとか、オペラハウスの屋根とか、デザイナーがこめた想いを全部ぶっちぎってニワトリに見えたならしょうがない!


↓やっぱり長野は飛ばされてるな!冬季に戻って2002年ソルトレーク大会!



子ども:「雪の結晶」

そうだね!雪の結晶だね!わかりやすいね!


↓今度はアテネを飛ばして連続で冬季大会から2006年トリノ大会!



子ども:「穴」

なるほど、ソッチがメインに見えたか!

元ネタはモーレ・アントネリアーナというトリノの有名な博物館をイメージしつつ、スキーをする山とか青空に舞う雪とかを表現したものらしいぞ!でも、最終的には穴だな!

↓これは絶対に伝わらないだろうけど2008年北京大会!


子ども:「漁師」

なるほど、どの辺で漁師決め打ちなのかはわからないが、人間だというのは伝わったようでよかった!「京」はわかる人だけわかればよろしい!

↓まだ記憶にも新しい2010年バンクーバー大会!


子ども:「人が…」
子ども:「変わった人が…」
子ども:「歩いてる」

人は人なんだけど、元ネタはイヌクシュクという石を積み上げた人型のモニュメントらしいぞ!伝統的名物+五輪カラー+人間という鉄板アイディアは、「人」ってことが伝わるのでわかりやすいかもしれない!


↓そして発表当初はやたらと評判の悪かった2012年ロンドン大会!



子ども:「文字が」
子ども:「レインコートを着て」
子ども:「飛んだり跳ねたりしてる」

文字ですね、文字!レインコートは知らんけど!

このロゴは発表当初酷評され、デザイナーが批判され、我も我もとサシカエ案が作られるなど大揉めになったヤツですが、見慣れたら別にコレでもいいかなって感じ!文字だし!

↓見たことない方もいますかね?2016年リオデジャネイロ大会!


子ども:「魚」

3人の人物が手をつないでいる…というよりは魚!気づかなかったけど、魚に見える気がしてきた!

なお、リオ五輪の会場では謎の水質汚染により、大量の魚がしょっちゅう死んでいるそうです!魚五輪や!

↓作りかけじゃなくて完成品だぞ!2018年平昌大会!


子ども:「雪の結晶と」
子ども:「家」

一応、 作った側の説明では、「平昌」のハングル表記である「평창」の子音部分を元にしているとのこと!左の四角は人々が集う広場で、右は雪や人を示しているらしい!

子ども大体合ってるな!

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さぁ、この辺の流れを踏まえていただきつつ大トリの東京五輪登場です。オッサンが子どもに仕込みの台本を読ませているという疑いの目を持ちつつも、まぁこれぐらい理解力のある子どもなら「T」は伝わるでしょう。ベルギーのリエージュ劇場のロゴ以外では、Tとしか言いようがない形なのですから!

↓お待たせしました、2020年東京大会です!(1分過ぎから)


子ども:「S?」
子ども:「S-er?」
子ども:「S-eeer?」
子ども:「S-erは…でこぼこしてるの」
子ども:「ガタゴトして」
子ども:「上がったり下がったり」
子ども:「何コレ」

何だこのクソガキ!「T」だろ、さすがにそこは「T」だろ!

ボールが転がってるピタゴラ装置とかじゃないんだよ!

ピタゴラ装置みたいだけど、ピタゴラ装置でもS-erでもないんだよ!

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このように忌憚ない子どもの意見により、このエンブレムには途方もないオリジナリティがあることが改めて確認されました。「S-er」です。人とか星とか雪とかのありふれたモチーフではない、圧倒的オリジナリティで我々の前に現れた「S-er」。うん、これなら裁判でも勝てるのではないでしょうか。間違ってもベルギーの劇場との混同はされないでしょう。何せ、コッチは「S-er」ですからね。組織委員会のみなさんも、世間にはこうした客観的冷静な意見があることをチカラとして、今後の裁判を頑張ってもらいたいものです。僕も半紙にでっかい「T」を書いて、法廷の前に飛び出す準備をしておきますので。

もはや戦線は何かに似てるとか似てないとかではないかもしれないが!