エキレビ!名物、木俣冬の日刊「まれ」、いつもは翌日レビューでお楽しみいただいてますが、17日から一週間は、夏休み特別企画として「当日朝の放映分を即レビュー」するという「即日まれ」体制でお届けします。

朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)8月20日(木)放送。第21週「復活マルジョレーヌ」第124話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:一木正恵


124話は、こんな話


2007年11月11日(日)大安吉日に、希(土屋太鳳)の店・プティット・ソルシエール(魔女姫)がオープン。最初は好評だったが、2週間もすると、ぱったり客足が途絶えてしまう。

今日の、つっこ「まれ」


オープン直後、身内ばっかりやって来て、この店、大丈夫か・・・と心配しましたが、あとから見知らぬお客様たちがやってきて、ホ。

これだけ身内が大集合したにもかかわらず、圭太の両親(板尾創路、藤吉久美子)は現れない。俳優のスケジュールがなかったのでしょうけれど、残念。
朝ドラは、後半になると、脇役の人たちが揃わなくなってきます。仕方ないこととはいえ、紺谷お義父さんは希の夢をとても気にしていたので、開店に関する反応を見たかったですし、お姑さんは、かなり態度軟化してしまったものの、お店と女将がほんとうに両立できるか、目を光らせてほしかったです。
こんな感じなので、希の夢、父・徹(大泉洋)の夢がついにかなってお店がオープン、師匠・大悟(小日向文世)に託されたナイフも取り出して、一人前のパティシエとしてこれから頑張っていくのだ、という相当盛り上がっていいはずのターンに、それほど感動を覚えることができませんでした。
最たる理由は、そこまでに至る数多くのコント展開と、そもそも希が茨な道をあまり歩んでいないことなんですが。

見ていて思い浮かんだのは、高級住宅地に住む裕福な奥様が、カフェや雑貨のお店をつくるというライフスタイル。
うちの近所にも(高級住宅地ではありませんが)、家の一部をカフェに改装して、ものすごく凝ったセンスのいいメニューを出しているお店があり、近所の奥様仲間が集っていて、どう考えても一見さんは入りづらいんです。そういう感じに似ています。
推測でしかありませんが、「まれ」の展開を楽しめているのは、地元でお店マダム的なひとたちではないでしょうか。

今日の、藍子


高志(渡辺大知)はとくにひねりなくシンプルに、藍子(常盤貴子)に淡い恋心を抱いていたようで。
彼の語る藍子の魅力──ちょっと寂しそうで笑顔にしたいと思う、は藍子のキャラを端的に表していました。きっと徹が藍子に惹かれたのも同じ気持ちだったのでしょう。「幸薄い美人」はモテます。そして、常盤貴子が「幸薄さ」を実に見事に演じているので、彼女の憂いある表情を見ているだけで、いいドラマを見た、という気にさせられてしまいます。
希が暢気な分、藍子の忍耐が光ります。藍子、どれだけ旦那を思い続けているのか。ドラマのなかだけでも6年+3年、少なくとも9年も家にいなくて、目下記録更新中ですもの。放浪夫といえば、宮本常一の「土佐源氏」の妻(20年以上放浪していた夫をずっと待っていた)を思い出しちゃいましたよ。この読み物との違いは、徹は女関係にはゆるくなく、昔、贔屓のお店の女の子がいたという描写があるだけで、それだけが救いですが。
とにかく、好きなことを好きなようにやっている希より、献身的な藍子を応援したくなります。

などと思っていると、「徹がいたら・・・」みたいな台詞のあとに、謎の来訪者は誰? という思わせぶりな描写で、125回に引っ張ります。
(木俣冬)

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いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))