Doctors Me(ドクターズミー)- 犬の尿石症、その治療法は?

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犬も人間同様、さまざまな内臓疾患に罹りやすく、そのためペットの健康管理には食生活を含めたライフスタイル全般を人間が注意を払ってあげる必要があります。そんなペットの内臓疾患より今回は、犬の尿石症について医師に伺いました。

犬の尿石症って、どんな病気?

腎臓、膀胱、尿管、尿道のいずれかに結石(固形物)が形成される病気。結石のサイズは大小さまざまですが、激しい痛みが伴うのが特徴です。また次のような重篤な病気に発展する可能性も……。
・尿路の炎症
・尿の通り道が塞がれて排尿困難に陥る
・尿毒症
・膀胱破裂

気になる尿石の種類

<ストルバイト>
リン酸アンモニウムマグネシウムともいわれる物質で、膀胱から尿道にかけて発生。尿がアルカリ性の時に作られます。
<シュウ酸カルシウム>
膀胱、腎臓、尿管、尿道など尿が腎臓で作られてから排泄に至るすべての場所で、pHにかかわらず(アルカリ性〜酸性)作られます。

結石が作られる4つの原因

1:ミネラルの過剰摂取
食事や飲み物に含まれるカルシウム、マグネシウム、リン、尿酸、ケイ酸といったミネラルを材料に作られるので、ミネラル分の多い食事はほどほどに。特に、感染症への罹患歴がある場合、尿中のタンパクや細菌と、ミネラル分が結合しやすく、結石の原因となるので注意が必要です。

2:尿の濃縮
特に冬場は、寒さから水分摂取が減りやすくなりますが、水分摂取が少なくなると、尿量も少なくなり、そうすると尿の濃縮が発生。結石が作られやすくなってしまうのです。また。膀胱内で細菌が発生しやすくなり、その中でアルカリを生産する菌が増えると、結石ができやすくなります。

3:細菌性膀胱炎への感染
細菌性膀胱炎に感染すると、ストルバイト結石が形成されやすくなります。

4:犬種
シーズーやシュナウザー、ダルメシアンは結石ができやすい犬種と考えられています。

こんな症状に要注意

・頻尿状態。しかし、1回の尿量が少ない
・排尿時の姿勢の変化(痛がっているため)
・常に陰部を気にする
・血尿
・尿閉(結石がどこかに詰まっている可能性大)
尿閉の場合、2日以内に手術を施さなければ命に関わる危険性も。この症状は、特に尿道が細く長い雄のほうが発生しやすいといわれていますので、雄を飼っている方は注意深く経過を観察してください。

病院では、どんな検査をするの?

<触診>
尿道閉塞に陥っている場合、膀胱や腎臓が肥大しているのがわかります。

<尿検査>
pH値の他、蛋白尿、細菌尿の有無を診断できる。さらに尿内に血症がある場合、その種類(ストルバイトまたはシュウ酸カルシウム)を推定できます。

<X線検査、超音波検査>
結石の存在がわかるといわれていますが、レントゲンには写らない結石も存在するので、十分な検査ではありません。

治療の種類

<専用の食事で、尿結石を溶かす>
・膀胱内結石の溶解:1〜4カ月程度の期間を要する
・腎結石:4カ月以上もの期間を要する

<抗生物質の投与>
尿石症により膀胱炎を発症している場合。

<手術>
重度の尿結石や、尿道カテーテルで開通できない場合。また、シュウ酸カルシウムの場合。これは一度できてしまうとなかなか溶解しないので、手術によって尿結石を取り除かなくてはなりません。

医師からのアドバイス

食事や、水分補給のバランスを日常的に管理してあげることで、未然に防ぐことができます。水をあまり飲まない時期などは、ドッグフードに水を混ぜたり、ウェットフードを使うなどの工夫も有効です。いっぽうで、体質的に結石ができやすい場合もあるので、定期的な尿検査を受けることも有効な予防策になり得るでしょう。