「うだるような暑さが続くと体力は消耗して、性欲よりも先に食欲が減退します。これが実は危険な状態なんです」
 こう語るのは、『脳で感じるセックス入門』などの著書を持つ、弘邦医院院長のドクター林氏だ。

 夏の暑さで食欲減退--。この機を利用して「ダイエットをしてみよう」なんて考えている方は、考え直すべきだ。
 「食欲と性欲は、密接な関係にあります。脳の中にある満腹中枢と性中枢がほぼ隣接していることもあり、どちらかが満たされると、“脳は満足する”と言われている。つまり、満腹になると性欲は落ちるのです」

 その理論でいくと、あまり食べないほうがいいはず。食欲が減退する夏場は、むしろ性欲は高まる…となりそうなのだが、そう簡単にはいかないようだ。
 「確かに多少、お腹が空いていたほうが性欲は強くなります。かといって、あまりにも食べなさすぎも問題。やはり、人間は食べないとエネルギーが出ないので、セックスをする気も失せてしまうのです」

 要は程度の問題で、夏バテで食欲が落ちてくると…。
 「一番怖いのは、筋肉が分解されてしまうこと。人間の体は、食べていないとエネルギーを放出し、体の中にある筋肉や脂肪を使い始めるのです。脂肪が先に落ちてくれるのならまだマシですが、残念ながら筋肉=タンパク質から落ちるのです」

 運動をせず、食事制限のみで痩せようとするダイエットがコレに当たる。
 「確かに食事を控えれば、体重は落ちます。しかし、何も運動しなければ筋肉量が落ちているだけで、脂肪は残ったまま。よく中年男性で肩幅や胸板は薄いのに、お腹だけは出ている方がいますよね。いわゆる“餓鬼体型”になるのです」

 夏の暑さで食欲減退した場合、このみすぼらしい体型になる危険があるのだ。むろん、それだけではない。
 「筋肉量が落ちる=男性ホルモンの分泌も落ちることになります。勃起力や性欲は男性ホルモンの影響を受けるため、しっかりとした食事で筋肉を維持していないと、EDになる可能性も高いのです」

 暑くて食欲がないから食べない…すると気付かぬうちにEDを招いているのだ。これを防ぐにはどうするべきか。
 「しっかり食べつつ、筋トレをするのがベストですが、忙しい現代人。さらに夏バテの体でトレーニングをすると、怪我をする危険もあります。そうなると、食事に気を付けるしかない」

 かといって、食欲減退気味ではあまり食べられない。
 「そこでオススメしたいのが、朝と昼はなんでもいいので、食べられるものを食べて、夕食はタンパク質を摂るようにするのです。肉や魚、大豆などが良いですね」

 食欲がなければ、せめてタンパク質の補給を心掛けよう。なぜなら、タンパク質を摂ることで筋肉の分解を防げるからだ。
 「さらに言えば、夜はプロテインだけでもいい。プロテインと聞けば筋トレのイメージですが、あれほど手軽にタンパク質を摂れるものもありませんからね。とにかく食欲がないからといって、何も口にしないのはEDになる原因です」

 食欲減退を乗り切って、強いオトコでいよう!

ドクター林
弘邦医院(東京・江戸川区)院長。『脳で感じるセックス入門』や『お医者さまが教える癒されてもっと気持ちよくなる!』など著書も多数。ED治療にも精通しており、現在、同医院では局部海綿体注入法による「ICI治療」も行っている。