損をしない!かしこい住宅ローンの選び方

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人生最大の買い物といわれるマイホーム。でも「住宅ローンは難しいし、種類もいっぱいあって、どうやって選べばいいか、わからない」という人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、住宅ローンの選び方のポイントをご説明します!

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ポイントその1:「変動金利型」にするか「固定金利型」にするか


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最初の選択は、「変動金利」か「固定金利」かです。変動金利型とは、半年ごとなどあらかじめ決められた期間ごとに金利が変動するもの。固定金利型は、貸出時の金利が完済時までずっと適用になる「全期間固定金利型」と、最初の2〜10年といった一定期間が固定金利で、期間経過後は変動金利に移行するか、または固定金利か変動金利か選択できる「固定金利特約型」があります。

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一般に、変動金利型や固定金利期間の短い固定金利特約型は金利が低く、全期間固定金利型や固定金利期間が長い固定金利特約型は金利が高くなります。

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<S銀行の住宅ローン金利の例>

変動金利型 0.680%

固定金利特約型3年 0.750%

固定金利特約型5年 0.830%

固定金利特約型10年 1.150%

固定金利特約型20年 1.400%

全期間固定金利型(30年) 2.050%

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これから金利が上がりそうなときは、全期間固定金利型や固定金利期間が長い固定金利特約型を選び、これから金利が下がりそうなときは、変動金利型や固定金利期間の短い固定金利特約型を選ぶとよいでしょう。また、10年くらいの固定金利特約型を選び、10年後に固定金利特約型か変動金利型か、あるいは他銀行の住宅ローンへの借り換えも含めて選択し直すという方法もあります。10年後には使い勝手がよくて金利が低い新住宅ローンが登場しているかもしれません。

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ポイントその2:銀行によって差が出る「保証料」


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一般に、住宅ローンの場合、銀行は貸出時に保証会社を利用し、保証料の支払いを利用者に求めてきます。保証会社は、住宅ローンの利用者が万が一お金を返すことができなくなった時に、利用者の代わりに、住宅ローンの残りを銀行に支払う役割を担っています。保証会社が、利用者の代わりに住宅ローンを銀行に支払った場合、利用者は住宅ローンを支払う必要が無くなったのではなく、保証会社に返済をしなければなりません。つまり、利用者は保証会社に保証料を払い、保証してもらうことによって、銀行が利用者に安心してお金を貸せるようになるという仕組みです。保証料は、貸出時にまとめて一括で支払ったり、住宅ローンの金利に上乗せして支払ったりします。住宅ローン金利に上乗せする場合は0.2%程度金利が上がるので、けっこう負担は大きいです。ただし、住宅ローンを取り扱う金融機関によっては保証料をタダにしてくれることがあります。保証会社を使わない、あるいは保証料はサービスで金融機関が負担するなどの理由によるためです。住宅ローンを利用する場合は、保証料無料のところを選ぶようにしましょう。

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ポイントその3:住宅ローンとセット「団体信用生命保険」


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住宅ローンは長い期間のローンのため、利用者がローン返済中に亡くなり、お金を返せなくなってしまうことがあります。万が一、利用者が亡くなった場合には、生命保険の保険金で住宅ローンを返してもらえるように、住宅ローンを取り扱う金融機関は、利用者に指定した生命保険に入ってもらいます。その生命保険が団体信用生命保険です。なお、「大きな病気をした」「持病がある」などの理由で、団体信用生命保険に入れない場合は、住宅ローンを借りられなくなります。よって、住宅ローンを借りる場合は、元気な若いうちの方が有利ともいえるでしょう。団体信用生命保険の保険料は、ほとんどのケースで金融機関側が負担してくれますが、まれに利用者が負担する場合もあるので注意しましょう。

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ポイントその4:最初にかかる「事務手数料」や「一部繰り上げ返済手数料」もチェック


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住宅ローンは大きいローンのため、契約には初期費用がかかります。契約書に貼る収入印紙代、不動産登記費用、司法書士への報酬などです。これらの初期手数料は、事務手数料や事務取扱手数料などと呼ばれています。事務手数料には3万円程度から、住宅ローン融資額の2%強というところまで、計算方法がいろいろなので注意しましょう。そのほか、途中でかかる手数料もチェックが必要です。とくに、一部繰り上げ返済手数料は、何回か利用する可能性があるだけに重要になります。一部繰り上げ返済手数料は一回当たり0円〜数万円程度がほとんどです。インターネットバンキングで繰り上げ返済をすると手数料が無料になる金融機関が増えてきています。

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住宅ローンの決め手となる上記のポイントをおさえて比較すれば、住宅ローン選びがぐっとラクになります。変動金利か固定金利か、固定金利なら何年型を選ぶかを決めたら、あとは金利の低いところ、保証料や団体信用生命保険料、そのほかの手数料を安いところを選べばいいわけです。人生最大のローンになるため、しっかり比較検討しましょう。

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<プロフィール>

おおいみほ

ファイナンシャルプランナー(AFP)/二級ファイナンシャル・プランニング技能士

銀行にて、預金商品やローン商品、クレジットカード商品のマネジメント業務を経て、現在はウェブサイトなどのマネー関連記事の執筆、個人投資家として活動中。

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