ウェブサイトに公開されている写真の一部。アルミが高温で溶けている

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中国・天津市の大規模爆発事故は発生から1週間が経ち、少しずつ凄惨な現場の様子が分かってきた。

中国当局はメディアの独自報道を抑えたりネット上の情報を次々に削除したりするなど情報統制を強めているが、それでも現場の様子が微博(ウェイボー、Weibo)を通じて発信され、消されないまま拡散する写真もある。その中には、黒焦げで原型をとどめていない遺体など、正視に堪えないものも多い。

国営テレビが「猛毒の神経ガスを現場から検出」と報じる

8月19日には国営の中国中央テレビ(CCTV)が消防当局の話として、猛毒の神経ガスを現場から検出したと報じた。倉庫に保管されていた猛毒の化学物質に対して消防隊が誤って放水し、大規模爆発が起きたというこれまでの見立てが裏付けられたとも言えそうだ。8月18日には、北京のタブロイド紙「新京報」がドローンで撮影した事故現場上空の動画を微博(ウェイボー、Weibo)に公開し、焼け焦げた建物や自動車の様子が明らかになった。

中国のネット利用者は、それ以上に現場の様子を克明に伝えている。例えば「中国ジャスミン革命」と呼ばれる反政府系のサイトは8月19日、微博などで公開されていた写真141枚をまとめて公開した。

「老人が車いすに座った状態で生きたまま燃えている」

あるネット利用者は爆発の様子を、

「最初は普通の火事だと思っていたが、1時間後に大きな揺れが来た。爆発は3回連続し、家はめちゃくちゃになった。ガラスはあらゆるところに飛び散り、水道管も破裂した」

と説明している。掲載されている写真は凄惨なものが多い。

車のホイールに使われているアルミは溶けて原型をとどめておらず、事故現場がきわめて高温だったことがうかがえる。そのためか、真っ黒に焦げている遺体も多い。車両と一緒に爆風で吹き飛ばされたのか、コンテナの下敷きになっているものもある。中には、

「老人が車いすに座った状態で生きたまま燃えているが、消火するすべはない」

という説明がついているものもある。

消火にあたっていた多くの消防隊員も爆発に巻き込まれて犠牲になった。黒焦げになった消防車も多く写っている。

現時点で死者は100人を超えているが、現時点でも爆発までの経緯や被害の全容は明らかになっていない。さらに死者の数が増えるのは確実だ。