エキレビ!名物、木俣冬の日刊「まれ」、いつもは翌日レビューでお楽しみいただいてますが、本日17日から一週間は、夏休み特別企画として「当日朝の放映分を即レビュー」するという「即日まれ」体制でお届けします。

朝ドラ「まれ」((NHK 月〜土 朝8時〜)8月17日(月)放送。第21週「復活マルジョレーヌ」第121話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:一木正恵


121話は、こんな話


失踪した徹(大泉洋)が残した、まいもん食堂をリノベーションして開店するケーキショップの企画書に突き動かされた希(土屋太鳳)は、塗師屋の女将とパティシエと両方の夢をかなえることができるかもしれないと希望を見出す。

希と徹の共通点


娘の希自身が自分の夢と気づいた徹は、
「希!世界一のパティシエになれよ!!」
という言葉を残して去りました。
そして希はがぜん張り切りだします。
たまに発動する、手をふにゃふにゃ動かすイマジネーションも発動。
この、がぜん張り切りだす というところがお父さんにそっくり。
終わりのほうで、開店のための資金計算をしていて、1千万円超えるとわかって卒倒しているとき、胸に「I」と書いたTシャツを着ています。世界一のIでしょうか。
気持ちを衣服に託すのもお父さんが乗り移っちゃった?

今日の、ツッコ「まれ」


「ひとつだけ」じゃ全然なくて、「ふたつとも」でした、希の生き方は。
「何かを得るためには何かを捨てる」という自己犠牲的精神が良しとされることに「まれ」は抗うようです。それはすばらしいと思います。
朝から晩まで働いて(睡眠時間3時間くらい)、お店の開店時間や売る個数なども限定し、空いた時間に女将やささやかな日常生活を送るという、理想のスケジュールを希は書きます。
ただ、おそれながら申し上げますと、女将とささやかな日常はまた別のものだと思うのですが・・・。おそらく女将やっていたらささやかな日常はなかなか送れないのではないかと・・・。希が求めているのは「女将」「パティシエ」「ささやかな日常」のみっつですよね。贅沢過ぎる!!!

また、修業にも行かず、実績もないのに、いきなり限定販売だとか戦略から考える(そこが、徹仕込み、と思わされる)のは、上っ面だけ、イメージだけの生き方本やバイラルメディア的思考に思えてしまうんですよ。
まれ、お願いだから、修業して! 

もう少し、ものづくりの大変さを描いてくれないと、ドラマ見ている心の成長期のひとたちが勘違いしちゃうんじゃないかと、余計なお世話ですが、ひやひやしています。

こんなに毎朝、じりじりしながら、小言を思い浮かべながら(苦笑)感じるのは、「まれ」は、視聴者が姑、小姑目線で主人公を辛口に見るという新たなスタイルをつくりあげたなってことです。
ドラマ内の姑(藤吉久美子)が早くもいい人化してしまっている分、視聴者ががんばらないと、と朝から無駄な使命感。生き甲斐をありがとう。

今日の、ダジャレ


「われの器が試されるげんよ」(弥太郎/中村敦夫)
希は要領よく妥協できない不器用な人間だから、女将とパティシエと兼務したら壊れてしまうかもと心配する弥太郎。鋭い。
そして、圭太(山崎賢人)に、希を守ってやれるか「器が試される」と問いかけます。
輪島塗の器のように丈夫で長持ちで、かつ美しく、そして、たっぷりなんでも受け容れてくれる、そんな夫、理想ですね。
(木俣冬)

エキレビ!にて月〜土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから

いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))