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7月28〜30日、東京ビックサイトで日本最大級のスポーツ・健康産業関連の総合展示会「SPORTEC(スポルテック)2015」が開催された。合同開催のフィットネス総合展示会『ヘルス&フィットネスジャパン(HFJ)』と合わせて約450社が出展した。

器具や装具から食品まで、幅広いスポーツ・健康関連製品が出展されるスポルテック。今年の出展では、機能性食品が数多く目を引いた。特に筋肉増強のための高たんぱく質が効率よく摂取できる栄養食品や、低カロリーなサプリメント製品の出展ブースが軒を連ねた。

その中で気になったのが三井製糖。「スプーン印」でおなじみの砂糖メーカーだが、「パラチノース」と呼ばれる甘味料をPRしていた。

パラチノースは、「イソマルツロース」が一般名称で、通常はハチミツの中に含まれている成分。ブドウ糖と果糖が砂糖とは異なる位置でつながった構造をしており、砂糖と似た風味を持ちながらも消化吸収速度が緩やかであるのが特徴だ。しかし、ハチミツの中に含まれる量は極めて少量。そのため、砂糖を原料に、みそやしょうゆの製造と同様に、微生物の持つ酵素の力で三井製糖が量産化に成功したというものだ。

スポルテックの期間中、同社は「持続性エネルギー『パラチノース』のスポーツフードへの利用例」と題したセミナーを開催。パラチノースを製品に採用している企業も出席した事例紹介などを行った。

セミナーの講師を務めた同社商品開発部の宮崎大地氏によると、炭水化物とはブドウ糖・果糖などの単糖、またはそれらが複数つながった栄養素のことを指す。さらにそのうちの食物繊維を除いたものが糖質にあたるといい、日本が摂取しているエネルギーのうちの糖質が占める割合は約60%に及ぶという。

一方で、人間の体重に占める糖質の割合は約1%にとどまり、エネルギー源としての糖質は極めて重要なものである。中でも運動強度が高いほど糖質が筋肉のエネルギー源となる傾向にあり、脳のエネルギー源となるのも糖質だという。

このため、運動後の糖質補給は欠かすことができないものである。糖質摂取量の目安は運動条件により異なるが、例えば運動後4時間以内に回復する場合は1時間に体重1キロあたり1〜1.2グラム、4〜6時間以上のハードな運動をした後は、1日程度で回復するためには体重1キロあたり1日に最低10グラム以上が必要となる。一方、ご飯茶わん1杯(150グラム)の糖質量は約55グラム。この数値から言えば、70キロの場合、最も過酷な条件で1日にご飯12杯以上が必要な計算となる。

一方、糖質には吸収の傾向に応じて3つのタイプに分類される。1つ目が速やかに上昇する「ファストカロリー」と呼ばれるもので、エネルギーを素早く補給するのに適しており、砂糖やブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖、マルトデキストリンなどがこれにあたる。2つ目が「ゼロ・低カロリー」と呼ばれる低吸収型のもの。これはカロリーの吸収を制限したものだ。

そして、昨今注目を集めているのが「スローカロリー」。ゆっくり持続型の吸収スタイルで、長時間の運動やトレーニングなど、エネルギーを持続させたい場合に有効。宮崎氏は「現代はこれらの糖質を摂取シーン別に選択する必要がある」と話す。

そのスローカロリーの糖質源として代表的なのが、パラチノースだ。パラチノースは、砂糖の約1/5の速さで吸収されるのが特徴。他にも砂との比較では、「運動中に脂肪が効率よく燃焼する」「低血糖予防や減量時にも筋肉量が維持される」「集中力や満腹感が持続する」といったメリットもある。

そして、そのパラチノースを実際に自社製品に採用した企業の1社目としてプレゼンテーションを行ったのが、三重県の製菓会社・井村屋だ。同社は2012年に「スポーツようかん」という商品を発売、これに三井製糖のパラチノースが使われている。

創業時からようかんを販売している井村屋がこだわったのは、小容量で気軽に塩分とカロリーの補給ができ、ようかんの主原料である糖質にスポーツに適したものを選定すること。パラチノースは砂糖と同じ二糖類で分子量も小さく、あんとも好相性であるため材料に選ばれたとのことだ。

その他エナジードリンク「X-ZONE」、ミールリプレイスメントパウダー「パーフェクト・スムージー・プロテイン」でパラチノースを採用している各企業の開発担当者と、パラチノースを使ったプロテインスイーツ教室を主宰する山崎志保さんが出席し、事例を紹介するプレゼンテーションを行った。

その他にも、自社オリジナルの健康やスポーツ・フィットネスに関する製品をアピールする企業や、体験型エクササイズを来場者と共に行う企業などもあるなど、会場内は活気に満ちあふれていた。

(神野恵美)