成果が出るのはまだ先でも、その取り組みに期待できる銘柄を青田買いするのは夢のある戦略だ
 株で儲けた人々の武勇伝が漏れ聞こえてくる一方で、「インフレに備えよ」「円安時代に備えて外貨建て資産を持とう」といったメッセージも頻繁に聞かれる。そろそろ「自分も何か投資を始めないと、周囲から取り残されてしまうのではないか……!?」という焦りを感じ始めた人も多いのではないだろうか。

 とはいえ、世の中にはあまりにも多くの金融商品が溢れている。一体、何を買えばいいのか……とお悩みの皆さんに代わって、ここではマネーのプロたちに意見を求めた。ぜひ、投資デビューの一助としてもらいたい。

◆割安株の探し方

〈当てはまる人は必読!〉
■ 気は長いほうだ
■ 夢のある話が好きだ
■ 優良企業を応援したい

 短期的な上げ下げに一喜一憂するのは心臓に悪い。とにかく気長に持っていれば、いつかは上がっているだろう……そんなユル〜いスタンスで持つのに適した金融商品にはどんなものがあるのか?

「投資の王道としては『PBR(株価純資産倍率)が1以下の株』。割安株の代表的な目安です。これである程度利益が出ている(赤字でない)会社なら、早晩上がっていく可能性が高い。万一、下がってしまったとしても、せいぜい1〜2割のレンジ内でしょうから、比較的安心して持ち続けていられます」(『お金持ちの教科書』などの著作で知られる加谷珪一氏)

 資産10億円の個人投資家・タカシマ氏(仮名)も「PBRの低さ」もしくは「時価総額の安さ」を銘柄選定の条件としている。

「いわゆる中小型株と言われる時価総額の安い銘柄であれば、収益が高まるにつれて株価が10倍化(テンバガー)する可能性も。アベノミクスで新規参入してきた人の多くは、その時々の人気投票で株を買っている印象。その中で不当に低く評価されている企業も少なくないので、そうした銘柄を拾っていきたいですね」

 加えて、イノベーションをもたらす技術開発を行っているような企業であれば、長期保有すれば必ずリターンがある……とタカシマ氏。投資アドバイザーの櫻井英明氏が個人的にもっとも注目していると語る「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ」(6090)もまた「イノベーションをもたらす技術開発」を行っている企業だと言えるだろう。

「バイオベンチャー企業で、うつ病を血液検査で簡単に診断するためのマーカーを開発しているところです。開発にあたっては、地元である山形県と鶴岡市、そして慶應義塾大学から絶大なる援助を受けている。マーカーが完成した暁には飛躍的に伸びるはず」

 長期投資のバイブル、通称「赤本」こと『株式投資の未来』(ジェレミー・シーゲル著/日経BP社)に乗っかってみることを提案するのはバリュー株を中心とした攻めの運用で知られるwww9945氏。

「同書の巻末には、フィリップ・モリス、コカ・コーラ、P&Gなど、“成長のワナ”に陥ることなく永続的に儲けていけるアメリカ企業のリストが掲載されています。この中の上位10社を10株ずつ買ってみて、長期にわたって持ち続ける……という戦略も悪くないと思いますよ」

 鉢植えを育てる感覚で、のんびり見守っていれば、ウン年後に高笑いできるかも!

◆厳選5商品

「安田倉庫」
東証1部・9324 1022円
「旧安田財閥系倉庫会社。保有株式+不動産から有利子負債を引いた資産額563億円に比して、株式時価総額が313億円のバリュー株。PBR0.52倍」(www9945氏)

「NCS&A」
東証2部・9709 275円
「日本コンピューターシステムとアクセスが合併。後者は’09年に不祥事で上場廃止になるも、その後の堅実な経営により合併に至る。PBR0.59倍」(タカシマ氏)

「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ」
マザーズ・6090 1116円