おそらくは、勝ち点3のようにもっと具体的な意味を持つリーグ戦のような試合について考える方が良いだろう。インテルは16日にAEKアテネとアンコーナでフレンドリーマッチを行い、プレシーズン最後の試合を0-0で引き分けた。

リーグ開幕への最後の一週間に向け、良い兆しはなかった。最後の一週間で、トレーニングの負荷が通常のものになるくらいだ。あとは、マーケットから今後のインテルがもっと分かるだろう。

マテオ・コバチッチがレアル・マドリーに向かっていることで、ロベルト・マンチーニ監督には選択の余地があまりなかった。フレディ・グアリンとエルナネスも負傷で欠場だったため、マルセロ・ブロゾビッチがトップ下に入り、中盤がアサヌ・ニュクリ、ギャリー・メデル、ジェフリー・コンドグビアになることは避けられなかった。

守備ではマルティン・モントーヤがベンチスタート。ダニーロ・ダンブロージオが先発した。だが、彼がマーケットに出されている状況は変わらない。前線はマウロ・イカルディとステファン・ヨベティッチのコンビとなった。

試合はリラックスした午後のようにリズムで進み、インテルは反応もアイディアも少なかった。ショックを与えたのはイカルディだ。今のインテルの魂である。31分過ぎ、彼の突然の右足シュートが全員にとっての目覚ましのようになった。

だが、前半はそれ以上の見どころなし。主審のホイッスルが鳴ると、雨にも耐えて観戦していたアンコーナの観客は落胆から不満を表した。

マンチーニ監督は後半も前半と同じメンバーを送り出すという“罰”を与える。誇りからくる反応に期待したからだ。だが、観客からのブーイングは後半、プレー中にも届くことになった。約10分ほどのインテルのポゼッション後、観客たちは不満をあらわにしたのだ。

試合のリズムは変わらず、73分にヨベティッチが右足で狙ったのが、後半初の見どころだった。前半同様、30分ほどを要したということだ。

終盤にAEKが交代をしてから、インテルはスペースを見つけたが、彼らが見せたことはあまりにも少なかった。試合は0-0で終了。試合後、マンチーニ監督はコバチッチ移籍を認めた。

「残念ながら守るべきルールがある。ファイナンシャルフェアプレーがあるんだ。我々の誰も彼の売却を望んでいなかったと思う。だが、UEFAのルールを守るためには、何かする必要があった。これは、コバチッチ抜きで強いチームをつくることを目指さないという意味ではない」

「会長も私も、選手たちも、全員が残念に思っている。だが、何かしらの犠牲を払う必要があるんだ。それを理解しない人がいるのは残念だね。我々の誰も、(ジェルダン・)シャチリやコバチッチを手放したくなかった。だが、この重要な2選手の売却により、我々はほかのことをやれる。適切な選手を獲得できるように願おう。だが、急がなければいけない。1週間後には開幕だからだ」