学生の窓口編集部

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「物価の優等生」なんて言葉があります。小売り価格がほとんど変わらない商品を指していう言葉ですが、その代表格とされるのが「鶏卵」です。確かに卵はお財布に優しい食材です。その価格推移はどのようになっているのでしょうか?

「鶏卵」の価格がどのように変わってきたのかを見てみましょう。縦に長くて恐縮ですが、1950年(昭和25年)から2012年(平成24年)までの価格推移は下のようになっています。
思わず驚く物価の優等生「卵」の価格推移
■「鶏卵」の価格推移
1950年(昭和25年):99.20円
1951年(昭和26年):92.00円
1952年(昭和27年):90.70円
1953年(昭和28年):100.00円
1954年(昭和29年):94.40円
1955年(昭和30年):90.60円
1956年(昭和31年):100.00円
1957年(昭和32年):96.50円
1958年(昭和33年):96.20円
1959年(昭和34年):89.60円
1960年(昭和35年):91.60円
1961年(昭和36年):88.42円
1962年(昭和37年):22.90円
1963年(昭和38年):24.20円
1964年(昭和39年):22.70円
1965年(昭和40年):21.90円
1966年(昭和41年):24.00円
1967年(昭和42年):22.80円
1968年(昭和43年):24.10円
1969年(昭和44年):22.60円
1970年(昭和45年):22.70円
1971年(昭和46年):22.90円
1972年(昭和47年):23.80円
1973年(昭和48年):263.00円
1974年(昭和49年):341.00円
1975年(昭和50年):367.00円
1976年(昭和51年):339.00円
1977年(昭和52年):365.00円
1978年(昭和53年):312.00円
1979年(昭和54年):314.00円
1980年(昭和55年):382.00円
1981年(昭和56年):415.00円
1982年(昭和57年):359.00円
1983年(昭和58年):325.00円
1984年(昭和59年):339.00円
1985年(昭和60年):350.00円
1986年(昭和61年):361.00円
1987年(昭和62年):252.00円
1988年(昭和63年):246.00円
1989年(平成1年):277.00円
1990年(平成2年):316.00円
1991年(平成3年):363.00円
1992年(平成4年):270.00円
1993年(平成5年):273.00円
1994年(平成6年):275.00円
1995年(平成7年):289.00円
1996年(平成8年):305.00円
1997年(平成9年):312.00円
1998年(平成10年):282.00円
1999年(平成11年):308.00円
2000年(平成12年):309.00円
2001年(平成13年):302.00円
2002年(平成14年):204.00円
2003年(平成15年):187.00円
2004年(平成16年):200.00円
2005年(平成17年):231.00円
2006年(平成18年):214.00円
2007年(平成19年):211.00円
2008年(平成20年):227.00円
2009年(平成21年):218.00円
2010年(平成22年):219.00円
2011年(平成23年):228.00円
2012年(平成24年):213.00円

*……総務省統計局「小売物価統計調査」鶏卵価格の年次推移。ただし、調査対象が「1950-1961年:『鶏卵』1個約60g」「1962-1972年:『鶏卵』1個約60g」「1973-2001年:『鶏卵』1個約60g」「2002年-:『鶏卵』白色卵」となっています。

これを「消費支出」の調査データを基に現在の価値にしてみますと下のようになります。
■「現在の価値」にした「鶏卵」価格の推移
1950年(昭和25年):2,370円
1951年(昭和26年):1,830円
1952年(昭和27年):1,455円
1953年(昭和28年):1,338円
1954年(昭和29年):1,191円
1955年(昭和30年):1,117円
1956年(昭和31年):1,194円
1957年(昭和32年):1,078円
1958年(昭和33年):1,013円
1959年(昭和34年):887円
1960年(昭和35年):838円
1961年(昭和36年):737円
1962年(昭和37年):170円
1963年(昭和38年):172円
1964年(昭和39年):146円
1965年(昭和40年):129円
1966年(昭和41年):131円
1967年(昭和42年):114円
1968年(昭和43年):108円
1969年(昭和44年):92円
1970年(昭和45年):82円
1971年(昭和46年):75円
1972年(昭和47年):71円
1973年(昭和48年):671円
1974年(昭和49年):717円
1975年(昭和50年):665円
1976年(昭和51年):555円
1977年(昭和52年):548円
1978年(昭和53年):443円
1979年(昭和54年):419円
1980年(昭和55年):474円
1981年(昭和56年):495円
1982年(昭和57年):406円
1983年(昭和58年):358円
1984年(昭和59年):364円
1985年(昭和60年):367円
1986年(昭和61年):374円
1987年(昭和62年):257円
1988年(昭和63年):242円
1989年(平成1年):265円
1990年(平成2年):291円
1991年(平成3年):318円
1992年(平成4年):232円
1993年(平成5年):233円
1994年(平成6年):236円
1995年(平成7年):251円
1996年(平成8年):265円
1997年(平成9年):268円
1998年(平成10年):246円
1999年(平成11年):273円
2000年(平成12年):279円
2001年(平成13年):280円
2002年(平成14年):191円
2003年(平成15年):177円
2004年(平成16年):188円
2005年(平成17年):220円
2006年(平成18年):207円
2007年(平成19年):203円
2008年(平成20年):219円
2009年(平成21年):214円
2010年(平成22年):216円
2011年(平成23年):231円
2012年(平成24年):213円

1950年(昭和25年)にはなんと現在の「2,370円」相当と換算できるような価格だったのですが、それからぐんぐん価格が下がり、1987年(昭和62年)に200円台に入った後は変動はあるものの価格は安定していることが分かります。

直近はどうなっているかといいますと、農林水産省のデータによれば「2015年(平成27年)度4-6月で219円」です。やはり卵は家計の味方なのですね。

■卵が物価の優等生である理由

なぜ卵が物価の優等生であり続けてきたのでしょうか。その秘密は「円高」にあるようです。鶏卵を生産するには、当たり前ですがニワトリを飼って育てなければなりません。ニワトリを育てるための飼料が現在ではほとんど外国産のものになっているのです。

戦後、外国から輸入される飼料は、円高によって徐々に安価になり、それが卵の市場価格に反映されてきたのです。実際に農家の皆さんが入手する飼料はそこまで安くはないようですが、それでも卵の価格、その優等生ぶりに大きな影響を与えてきたのは確かです。

戦後すぐは「1ドル = 360円」だったのに、今や「1ドル = 約123円」(レートは記事制作時)。円は約3倍に強くなっているのです。この期間にたとえ飼料のドル価格が3倍になっていても、円で買うと同じ金額になるわけですから。

また、鶏卵の生産での競争の激化による市場価格の低下という面も見逃すことはできません。一般的に鶏卵が生産されればされるほど市場価格は下がります。農家の皆さんには頭の痛いことですが、生産競争が激しくなることは消費者に大きなメリットをもたらすのです。

⇒データ出典:年次統計
http://nenji-toukei.com/n/kiji/10036/%E9%B6%8F%E5%8D%B5%E4%BE%A1%E6%A0%BC

⇒データ出典:農林水産省「食肉鶏卵」をめぐる情勢
http://www.maff.go.jp/j/chikusan/shokuniku/lin/pdf/meguru_syoku.pdf

(高橋モータース@dcp)