堅実投資の王道「インデックス」最新事情
 株で儲けた人々の武勇伝が漏れ聞こえてくる一方で、「インフレに備えよ」「円安時代に備えて外貨建て資産を持とう」といったメッセージも頻繁に聞かれる。そろそろ「自分も何か投資を始めないと、周囲から取り残されてしまうのではないか……!?」という焦りを感じ始めた人も多いのではないだろうか。

 とはいえ、世の中にはあまりにも多くの金融商品が溢れている。一体、何を買えばいいのか……とお悩みの皆さんに代わって、ここではマネーのプロたちに意見を求めた。ぜひ、投資デビューの一助としてもらいたい。

◆購入手数料ゼロ円のインパクト

 銀行預金や債券よりはもう少しリスクが取れるが、大きな損をするのはやっぱり勘弁――そんな人にとって、もっとも現実的な選択肢と言えるのが「インデックス投資」である。

 購入手数料ゼロ円のインパクトで、インデックス投資がブレイクするきっかけを作ったのは、’08年に発売されたインデックス・ファンド「SMT(旧名STAM)」シリーズ(三井住友トラスト・アセットマネジメント)だ。その後も、インデックス投資の普及とともに商品は増え続け、’13年に登場したニッセイアセットマネジメントの〈購入・換金手数料なし〉シリーズは、信託報酬0.3%〜0.4%台という低コストで話題を集めた。

 インデックス・ファンドの場合、商品が違っても同じ指数に連動していれば、基本的に性能は同じ。それゆえに、低コストな商品が登場するたびに「乗り換えたほうがいいのでは?」と考えてしまうものだが、この問題に明快な答えをくれたのは、インデックス投資アドバイザーのカン・チュンド氏だ。

「まず、インデックス・ファンド自体はまだ“黎明期”にある商品なので、価格競争は今後もしばらく続くでしょう。そうなると『今いちばんコストが安い』ことにこだわる意味はなくなってしまいます。では、今後も継続的にコストが引き下げられていく可能性が高いのはどのファンドか。それを占うための最大のポイントが“純資産総額”。というのも、純資産総額とはファンドの“体力”にほかならないからです」

 純資産額で見た場合、カン氏が推奨するのは、もっとも古くからある「SMT」と「eMAXIS」(三菱UFJ投信)の2シリーズ。単純に“今、純資産総額が多い”からだけではなく、この2つは“扱っている販売会社がダントツに多い”からだ。

「ニッセイの〈購入・換金手数料なし〉シリーズの場合、扱っているのは4大ネット証券会社+アルファ。一方、SMTやeMAXISは、ネット証券会社はもちろん、店舗型証券会社や都市銀行、地方銀行でも購入できます。販売チャンネルが多いほど、より豊富な資金の流入が見込めるわけで、今後の健全な運用が期待できるんです」

 定番の安心感はダテじゃない!

「資産配分については、それほど厳密に考える必要はないでしょう。若くてある程度リスクが取れるなら株式を多めに持てばよいし、もうすぐ定年なので近々に急落したら困るというような人は、債券を多めに持てばいい。円資産と海外資産の配分については、何が正解というより『普通に分散投資していれば4:6くらいになるのが自然である』程度に考えてください」

 最後に「証券会社のサービスにも、もっと注目してほしい」との提言も。

「ネット証券会社の中で、いま一番使い勝手がいいのはSBI証券。資産の取り崩しを定期的に行ってくれる『定期売却サービス』は、いわゆる“じぶん年金”を作っている人には必須の機能と言えるでしょう。金融資産は、口座から口座へ“移管”できるので、実は証券会社を乗り換えるのは難しいことではないんです。証券会社のサービスは日進月歩で変化していますから、ぜひたまにチェックしてみてください」

◆純資産額で選ぶならコレ!

「eMAXIS TOPIXインデックス」
基準価格2万549円
純資産総額146.3億円

「eMAXIS 日経225インデックス」
基準価格2万1742円
純資産総額114.35億円

「SMT グローバル株式インデックス・オープン」
基準価格1万5432円
純資産総額511.03億円

「eMAXIS 新興国株式インデックス」
基準価格1万5436円
純資産総額278.02億円

「eMAXIS バランス(8資産均等型)」
基準価格1万8952円
純資産総額133.43億円

【カン・チュンド氏】
ファイナンシャル・プランナー。晋陽FPオフィス代表。『忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』ほか著書多数

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