新国立競技場が「コスト抑制」「屋根ナシ」の第二・味の素スタジアムになりそうなので、いっそ「更地」もアリだなと思った件。
やはり、第二・味の素スタジアムになったか!

「金」にとらわれ、「金」を基準に、「金」の懸案を先送りした新国立競技場が誕生することになりました。14日に行なわれた関係閣僚会議にて、政府は新国立競技場の整備計画を検討し、「できるかぎりコストを抑制するために」、施設機能をスポーツ競技用のものに限定すること、屋根は観客席の上部にだけ設けることなどを決定。この基本方針に沿って、新国立競技場計画を見直していくことになりました。

↓再検討にあたっての基本的な考え方を発表する遠藤五輪担当大臣!



大臣:「再検討にあたっての基本的な考え方を決定しました」
大臣:「できるかぎりコストを抑制し」
大臣:「現実的にベストな計画を策定するため」
大臣:「施設の機能は原則として競技場に限定し」
大臣:「屋根は観客席の上部のみとする」
大臣:「内閣全体として責任を持って計画を進め」
大臣:「JSCによる整備プロセスを関係閣僚会議で点検し」
大臣:「着実な実行を確保すること」
大臣:「大会後は周辺地域の整備と調和のとれた」
大臣:「民間事業への移行を図ること」
大臣:「今後ビジネスプランの公募へと向けた検討を」
大臣:「早急に開始することを決定した」
大臣:「この基本的な考え方は」
大臣:「これまでいただいた多くの国民の声や」
大臣:「アスリートの方々の声を踏まえて整理したもの」
大臣:「今後はこの基本的考え方に沿って検討を進めつつ」
大臣:「私としましては、引きつづき国民や」
大臣:「アスリートのみなさまの声をよく聞く取り組みを」
大臣:「精力的に行なってまいりたく思います」

案の定、「コストを抑えること」が最優先検討課題となってしまいました。世界に名だたる大都市・東京に、その地にふさわしい歴史的建築物を建てようということではなく、「ケチにも許してもらえる」程度のショボい計画で2020年東京五輪だけをやり過ごそうという、ケチとケチがタッグを組んだしようもない方針転換です。「安物買いの銭失い」ということわざを壁に張って、千回読み直せと詰め寄りたい気分。非常に残念です。

出口が見えない計画による無責任な先送り

この基本的考え方を読んだだけで、この計画の出口がないことは明白です。基本的考え方には「東京五輪終了後に民間事業への移行を図る」とありますが、コレは誰が受け持つのでしょうか。内々の打診くらいはあるのかもしれませんが、同時に「ビジネスプランの公募へと向けた検討」とあるので、ガッチリ決まっているわけではないのでしょう。

これはつまり、自分たちが主体となっていると「で、五輪が終わったあとどうやって稼ぎますか?金を」というケチからの詰問に答える責任があるけれども、それを「民間に渡してやらせます」と放棄することで責任逃れをしているわけですよね。「民間に渡すんで勝手にやるでしょう」「もし上手くいかなかったら、私も怒りますよ」「ケチのみなさん、そのときは一緒に民間を怒りましょう」と、責任を問われる立場から一緒に怒る立場に逃げると。

<2014年時点での新国立競技場の収入見込み>

ゞ醜團ぅ戰鵐隼業:9.88億円
・スポーツ事業(80日/うち大規模イベント36日):3.88億円
・文化事業(コンサート/12日):6.0億円

▲廛譽潺▲牴餔事業:20.78億円
・ボックスシート(700万円)、会員シート(10〜15万円)、会員レストラン・バーなどの売り上げ

コンベンション事業:4.73億円
・ホール、バンケットルーム貸出による会場費等

ぅ咼献優好僉璽肇福璽轡奪彁業:12.90億円
・スポンサーシップ提携による広告費収入等

ゥ侫ットネス事業:2.31億円
・フィットネスクラブの会員費等

Ε帖璽螢坤犹業:0.09億円
・スタジアムツアーでの売り上げ

物販・飲食事業(ゲート内):0.65億円
・イベント時の売店売上からのマージン

物販・飲食事業(ゲート外):1.45億円
・イベントがないときでも営業している場外売店からのマージン

次世代パブリックビューイング事業:0.86億円
・音楽エンタテインメント(12回):0.81億円
・スポーツ(5回):0.06億円

デジタルコンテンツ事業:1.82億円
・300円の動画か何かを7回配信(87000人に売れるという計画?)

秩父宮記念スポーツ博物館事業:0.63億円
・場内に設置する博物館の入館料などによる収入

http://www.jpnsport.go.jp/newstadium/Portals/0/oshirase/20141030_0908setsumeikai_gaiyou_shiryou/20141030_3_shiryou2.pdf

もともとの事業計画において収入の大部分を占めるのは「プレミアム会員事業」と「ビジネスパートナーシップ事業」です。これは何かというと、VIP用のボックス席&年間シート販売による収入と、どこかの企業に新国立競技場に広告を出させるというもの。モロにBtoBの営業力がものを言う事業です。

お国がやっているのであれば、比較的メドは立ちやすかったかもしれません。「おい、経団連」「誰か買え」「買わないと税制を変えるぞ」的な言外の圧力をバックにした協力関係というのもあるでしょうから。しかし、これを民間におろして誰にどう買わせるのか。観ようかなと思える大規模試合は年間20試合程度の想定で(※そんなにあるかな?)、用途を原則的にスポーツ競技場としたことでコンサート開催なども計画段階より減るはずです。人を入れる回数や見込みが少ない場所の年間指定席と看板を売る、という難しいテーマ。むしろ、それは国にやってもらいたい。

活用方法についても「屋根ナシ」という大きな足かせがあります。一応「コンサート開催の可能性は残す」ということですが、旧国立競技場でも年間1回程度のコンサート使用はあったわけで、「前と同じ感じでネンイチくらいならやってもいい」という意味合いで受け取るべきでしょう。そもそも、コンサート回数を増やすために開閉式屋根(※遮音装置)をつけるという話だったのですから、それをつけないのにコンサートが増える道理はありません。屋根ナシであることからイベント等での活用も基本的に期待できません。「雨に降られるかもしれないコミケ」とかあり得ないでしょう。また、現状ではデザイン等が未定なので不明瞭ですが、コストを下げて競技場用途に限定という大前提があることから、イ離侫ットネス事業や┐両豎鮎Χ隼楡澆呂修發修發△襪鵑世ないんだか。

これじゃ「サッカー日本代表戦くらいしか稼ぐアテのない巨大な箱を作るのだが、これで何とかして儲けてくれ」と言っているのと同じこと。自分たちが将来の儲けまで考えていたときは「コンサートも必要だな」「コンベンションホールも必要だな」「場外商業施設も必要だな」と中身もセットで考えていたものを、とにかく「建てる瞬間の出費」だけを考えて、本来なら必要だと思っていたものまで削ってきたのです。

その肝心のサッカー日本代表戦にしても、民間に事業をおろされた瞬間に開催できるかどうかすらアヤしくなります。「いや、ウチは埼玉スタジアムさんと懇意にしてるので」と普通にJFAに断られたりするんじゃないでしょうか。埼玉スタジアムと日産スタジアムだけでも手に余るのに、そこに新国立までぶら下がってくるなんて、ハイルキャクヘリソウJAPANにそんなに期待されても困ります。

そもそも、将来的に民間に託すというのなら、その事業者も交えて計画を建てるのがスジでしょう。最初から話に噛んでいれば、使いやすいものを建てられるかもしれないのに、できあがったものだけを預けようだなんて。あとから改修やら変更やらで、余計なコストがかかっても、それは「建てる瞬間の出費」じゃないから問題ないのでしょうか。それは問題を民間にツケ回すだけなんじゃないでしょうか。

<「よし、民間に押しつけよう」というキリリとした表情>

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わかった、ならば新国立野球場だ

あるいは、もう結論ありきなのかもしれません。先般、週刊誌に出ていた記事には「新国立競技場をプロ野球・巨人の本拠地にする」というものがありました。このような密約があるのならば、シレッと「五輪後は民間に」という話が出てくるのも理解できます。東京ドームも屋根が小汚くなっていますから、そろそろ引っ越すのも悪くありませんし。

野球ならば数万人規模の動員が年間70試合程度見込めます。東京ドームと同じ程度の使用料を巨人から取るということなら、年間で20〜30億円程度が使用料だけで見込めます。広告やグッズ売り上げ等の収入も得られれば、もともとの事業計画をはるかに上回る規模で商売ができるはず。

でも、巨人が新国立にきたら東京ドームが困りますよね。

よし、巨人ではなく、明治神宮に引き渡してヤクルトから金を取りましょう。

今かろうじて建っている神宮も、どうせ余命いくばくもないポンコツです。ラグビーワールドカップに間に合わなくてもよくて、陸上競技はどのみちサブトラックの問題で将来的に活用されることもなく、首都圏にはすでに3つも大規模サッカー場がある。むしろ、あそこに建てるべきは野球場です。東京五輪でもきっと野球が実施されるでしょうし、キレイな野球場を建てたら、気持ちよく五輪で金メダルが獲れるというもの。

五輪後の利用を考えても、歩いて5分くらいのところに、お金を払って球場を借りてでも野球をしたくてたまらない連中がいるんです。サッカーにはそういう集団がいないでしょう。プロチームが来るあてもないサッカー場を建てるより、野球に最適化された新国立競技場を建てるのがベスト。

「国立競技場でサッカーをできなければいけない」などという理屈はありません。陸上を「サブトラックの土地がない」「そもそも、そんなに客こないだろ」という理由で追い出そうというのですから、民間による市場原理によってサッカーも追い出されるべき。東京ヤクルトスワローズは不人気不人気と言いながらも、2015年シーズン半ばの時点ですでに100万人以上を動員しています。日本代表戦全部を新国立でやるよりも多い人数をすでに集めているのです。市場は「野球」を求めています。

野球場なら観客席にしか屋根がなくてもOKです。一年の大半、野球をやるんですから。たまーに花火大会とかやるときも、屋根がないほうが見やすくて結構。新日本青年館と新日本青年館ホテルの建築計画もセットで見直して、3万人規模の大規模屋内施設と野球場直結のホテルにしましょう。今の神宮がある辺りは、木でも植えたら素敵な公園になりそうです。新国立からサッカーと陸上を外したら、何だかあの辺の空間にゆとりが生まれそうで、大変結構じゃないですか。建てるものがひとつ減るので、コストも大幅にカットできそうですしね。

↓早く「新国立は野球専用スタジアムにすることにした」と言ってやれ!神宮、まだチマチマ直してるぞ!

もういい!もうチマチマやらなくていい!

どんだけチマチマやってもポンコツなことは変わらないから!

ちょっと「廃墟」としての味さえ出始めてるから!

新国立ができるまで、待っておれ!

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計画を見直して前より「エエもの」になったのか?

僕は50年後は死んでいるでしょうから、どうなろうが知ったこっちゃありません。今、騒いでいるみなさんも、アスリートもそうでしょう。50年後のことは誰もわからないのです。もとの計画は「とにかく全部の要望を満たしてエエものを作ろう」という発想から生まれたものでした。開閉式屋根や、可動式客席も「全部入り」のための設備です。全部入りならば、少なくとも「あれがない」「これがない」という後悔は生まなかったはず。

しかし、現時点の金をケチったことで、いろいろなものが削ぎ落されました。ラグビーはワールドカップを真新しいスタジアムで戦うことはできなくなりましたし、陸上競技はおそらく新国立を出ていくことになるでしょう。理に沿って「白紙」から考えれば、サッカーも削ぎ落されるべきだろうと僕は思います。これが本当にアスリートファーストなのかと。立てない舞台を作って、何がアスリートファーストかと。

維持管理費がどうこうとか、五輪後の収益性がとか、将来の「金」を心配する声があることも確かです。ケチは何でも心配しますから。自分の金でもないのに。しかし、あの立地で、立派なものが建てばコケるわけないでしょう。あの場所に六本木ヒルズと同じモノがあれば、六本木ヒルズと同じくらいにぎわうに決まってるじゃないですか。ド田舎の空き地じゃなく、超超超一等地ですよ。小汚い廃墟でヤクルトが野球をやってるだけで年間100万人も集まる立地ですよ。僕にはそこに建てるものをケチる気持ちが心底わかりません。

3000億でも4000億でも使って、本当に必要なものを建てたほうが、よほど生きた金の使い方になるはずです。僕は昨今のこうした動き……「騒ぎ」になってゼロに引き戻される動きを「衆愚」だと思っています。目の前しか見えない一般人であるところの僕らが、専門家が積み重ねた知恵をひっくり返しているだけの行為にしか思えません。

虫の叫びくらいの小さな声ながらも、頑張って「エエもの」建築計画を支持してきましたが、それも無駄骨だったようです。計画は着実に「第ニ・味の素スタジアム」へと突き進んでいます。そこにできあがるのは夢のスタジアムではなく、タダのスタジアムになることでしょう。「首都東京」の「超超超一等地」に「国家事業」として、田舎の空き地に建てるのと同じようなものを建ててしまうのです。今出せる全力も出さずに、50年後まで通用するものができるとは、僕には到底思えません。とてもケチ臭く、まっこと恥ずかしい国です。将来の日本のみなさん、こんなことになってしまって本当に申し訳ない。

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