TOPIXチャート(日足・6カ月)*チャート画像をクリックすると最新のチャートがご覧になれます。SBI証券HPより

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 予想通り、8月相場は「夏枯れ相場」とはならず、「上昇相場」になっています。10日のTOPIX(東証株価指数)の高値及び終値は1691.29ポイントと、なんと9日続伸し、6月24日に付けた高値1686.61ポイント、終値1679.89ポイントを共に超え、ザラ場ベースでも、終値ベースでも年初来高値を更新しました。また、終値1691.29ポイントは、2007年7月31日の1706.18ポイント以来の高値水準です。

 ちなみに、NYダウは、10日こそ8営業日ぶりに大幅反発したものの、7日まで7日続落していました。7日続落の主因は、原油先物相場の下落が続いたことで、石油や素材関連株が売られ、指数の足を引っ張ったことです。また、7日発表の7月の米雇用統計は非農業部門の雇用者増加数が節目の20万人を上回り、米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利上げに踏み切るとの警戒感が一段と強まったことも影響しました。

 なお、日本経済新聞社が集計した上場企業の15年4〜6月期決算は、連結経常利益が前年同期比で24%増えたそうです。そして、16年3月期通期の経常利益は前期比8%増え、前期に続いて最高になる見通しだとも。このような好調な企業収益がバリュエーション面で日本株を力強く支えることでしょう。

 少なくとも、足元の日米の株式市場については、相関性はゼロ、もしくはマイナス1に近いと考えて良いでしょう。

 これは、利上げ実施時期に神経質になっている米国と、当分、超金融緩和が続く見通しの日本とでは、金融政策のステージがまったく異なることが主たる要因です。よって、この日米株式市場の「相関性はゼロ、もしくは、マイナス1に近い」という状態は、しばらく続くと考えます。やや極端な言い方をすれば、「前日の米株の急落を好感した買いが入って、本日の日経平均は大幅高。」なんて、解説もありです(笑)。

GDPマイナス成長の場合に財政出動があるのか?

 それはさておき、17日発表の4〜6月期の国内総生産(GDP)の実質成長率はマイナスが濃厚とみられています。6月までの消費や生産などの指標をもとにした、民間調査機関の17社平均で前期比年率1.9%減です。相次ぐ食料品の値上げが消費者心理を圧迫し、個人消費が低迷、また、中国の景気減速が響き、輸出も低迷しているからだそうです。ただし、7〜9月期以降はプラス成長に戻るとの見方が大勢ですから、株式市場が先行きを不安視することはないでしょう。

 それよりも、市場の事前予想通りマイナス成長になった場合、安倍政権が財政出動するか否かに注目するべきでしょう。

 安全保障関連法案の衆院通過の際の混乱などが影響し、最新の新聞各社の世論調査で軒並み、安倍内閣の支持率が不支持率を下回っています。そこで、支持率回復のカンフル剤として、4〜6月期GDPのマイナス成長を受け、安倍政権が「大規模補正予算」を含む、景気浮揚を目的とした財政出動を決断するかもしれないからです。

 そのケースでは、ゼネコンを中心とした、国土強靭化関連銘柄が火柱高となる可能性が高いですね。

 例えば、大手ゼネコン4社の15年4〜6月期連結決算では、全社が四半期決算の開示を始めて以降の最高益を更新しました。東日本大震災の前後に受注した不採算工事を各社ともほぼ終え、受注単価上昇で工事利益率が改善していることに加え、物流施設や工場、病院など民間工事が増えており、全社とも通期業績は期初予想を上回る公算が大きいとみられています。つまり、追加の財政出動がなくとも足元業績の好調さで、建設株は買えるということです。

日本株の天井は「曲がり屋」が知っている

 ところで話は変わりますが、ザラ場ベースでも、終値ベースでも年初来高値を更新した日本株は、新たな上昇トレンドを発生させたとみるべきで、その上昇相場を継続・維持する際の「エネルギー」は当然のことながら、「相場観が曲がった、売り方の買い戻し」つまり「踏み」です。

 私も仕事柄、このような相場になると、様々な会社の記者の方から「どこまで上がると思いますか」なんてことを聞かれます。その際には多くの場合、テクニカル的な値幅分析をして答えます。しかし、値幅観測なんてものは「当たるも八卦、当たらぬも八卦」で、ある程度、もっともらしい目標値にはなりますが、実際の相場では、あまり役に立たないというのが実感です。まさに、「罫線屋足を引き引き足を出し」ですね。

 しかし、私の経験上、「曲がり屋のドテン」はよく当たります。競馬でいえば、単勝1倍台の人気馬が3着以内に入るくらいの確率です(笑)。

 もしあなたが、相場の天井を知りたいなら、(というか、相場で勝つ確率を上げたいのなら)まず、あなたが認定する曲がり屋を探すことです。今なら、ここ最近までの相場見通しで、「弱気」を言い続けている人ですね。その人が「強気」になった時、その時こそ天井になるでしょう。相場格言に「当り屋につくな、曲り屋へ向かえ」というものがあります。天井の見極めは、やはり昔から、曲がり屋に粛々とやってもらうのが確率が非常に高いのでしょう。

 私の経験では、曲がり屋は理屈屋が多いです。相場がなぜ上がったか、下がったを解説させたら、多くの投資家を納得させるような理屈や事象を見事にならべて、筋道立てて、理路整然と納得させます。

 しかし、実際の相場では、そういう人は、「理路整然」と曲がります(笑)。ちなみに万年強気の人、または、万年弱気の人もそうですが、いつも強気とも弱気とも、どちらにでも取れるような玉虫色のコメントしか出さない人は、相場の天底を知る上では、糞の役にも立ちません。

 あなたにとって有益な人は、相場の先行きに対して、常に強気、弱気の相場観を明確に打ち出し、かつ、高い確率で「曲がる」人です。もしあなたが、最高の逆指標の「曲がり屋」を見つけることができたら、あなたのパフォーマンスは、とてつもない勢いで改善するはずです。そして、その「曲がり屋」がドテン買いになるまで、強いグリップで日本株を握り続けるべき局面が、まさに2015年夏、今なのです(笑)。