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●全国大会にあたる「本戦」とは
今年で第22回を迎えた「写真甲子園」こと全国高等学校写真選手権大会。8月4日から7日まで北海道・東川町を中心としたエリアで「本戦」が開催された。天候にこそ恵まれなかったが、心に残る作品が多く見られ、筆者も撮影モチベーションを十分に補給して帰ってきた。

○全国大会にあたる「本戦」とは

写真甲子園は「本戦」の撮影フィールドでもある東川町、美瑛町、上富良野町、東神楽町、旭川市や、北海道新聞社などで構成される写真甲子園実行委員会が主催し、キヤノンおよびキヤノンマーケティングジャパンが特別協賛社としてサポートしているイベントだ。

2015年は全国を11ブロックに分けて「初戦」(予選のようなもの)を実施。その初戦に応募した全国514校から、「本戦」(全国大会のようなもの)に進む18校が選ばれた。本戦出場校の選手と監督は8月3日に現地入りし、9日まで滞在。本選の競技は4日から7日の3日間で、各日ごとに撮影と8枚組の作品提出を行い、審査員から講評を受ける。

■競技の流れ

本戦のスケジュールは「超絶ハード」な内容だ。たとえば、筆者が現地入りした本戦2日目は、6時10分に朝食をとり、7時20分からバスで移動、上富良野町で2時間、美瑛町で2時間の撮影タイムを経て、15時10分から写真セレクト、17時15分に作品提出締め切り、18時30分から20時30分まで公開審査会、選手が宿舎に戻るのは21時15分という予定である。

●「初戦」のように作りこめない、撮って出しの「本戦」
ここで「初戦」と「本戦」の違いについて説明しておきたい。本戦に出場するのは、全国11ブロックの初戦を突破した18校。高校生3人で1チームを構成し、最大8枚の組写真で競い合う、この点については初戦、本戦とも共通している(なかには初戦と本戦でメンバーを変えてくる出場校もある)。しかし、初戦と本戦はまったくの別物といえるほど、競技の性格が大きく異なるのだ。

○「初戦」のように作りこめない、撮って出しの「本戦」

初戦の作品受付期間は3月下旬から5月下旬まで。それ以前から準備することも可能なので、作品を仕上げるための時間は潤沢にある。撮影エリアの制限はなく、テーマも指定されていない。いつ、どこで、何を、どのように撮るかは、まったくの自由だ。

それに対して本戦は、出場校の選手たちが同一の条件で競い合うことに主眼を置いている。使用するカメラはEOS 8000Dが貸与される。撮影可能な時間やエリアには制限があり、写真をセレクトして作品として提出するまでの時間も3時間弱しかない。また、各日ごとにテーマも設定される。ちなみに今回は、初日が「出合い」、2日目が「風景」、3日目が「ぬくもり」だ。

さらに本戦では、撮影データをパソコンで編集することが禁止されている。色や明るさの調整はもちろん、トリミングも禁止。モノクロ作品で勝負したければ、あらかじめカメラで「白黒モード」に設定しておかなくてはならない。つまり、「撮って出し」で組写真を構成することが求められるのだ。

とはいえ、初戦と本戦の違いについて、2年連続出場・埼玉県立芸術総合高校の森俊成監督は、「普段から撮っている枚数がスゴいので、全然気にしていないです。3年生ともなってくると自然と(対応できていると思います)」とドッシリ。

一方、初出場・青森県立弘前高校の宮崎俊明選手、念代周子選手、山内美思選手は、「スケジュールが結構キビシイので、時間を気にしながらどこで何を撮るか考えなくちゃいけない。それと、朝がキツい(笑)」と率直な感想を。また、「撮影前のイメージと天気が違ったり、肝心なところで人に出会えなかったり……。でも、試練をクリアして、"レベルアップしている感"があって、出場できてよかった」と大会を楽しんでいるようだ。

■本戦2日目スナップ

※作品写真、写真甲子園実行委員会提供

(阿部求己)