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 中国が11日、実質的な人民元の大幅切り下げに踏み切った。これは、8日に発表された7月輸出がドル建てベースで前年同月比8.3%減となり、市場予想の1.5%減を大きく下回る「ネガティブ・サプライズ」となったことへの対策と考えられる。

 6月6日付けのロンドン・エコノミスト誌は、「Signs of a slowdown(世界経済に減速の兆し)」という記事の中で、「円安が他国で問題を引き起こしている」として、以下のような「円安弊害論」を展開していた。

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「この円安は、諸外国に2つの難題をもたらしている。一つは日本の輸出企業の競争力が高まった結果、ライバルの輸出国が不利になった」、「円安がもたらす第2の問題は、潜在的なデフレ効果であり、日本製品が安くなれば、競合相手は値上げが難しくなる。商品価格の下落は世界の消費者物価の低下を招く」。

 今回の人民元切り下げを受けて、「円安弊害論」が再浮上する可能性は注目される。そもそも、大幅な円安局面で、アジア通貨が切り下げに追い込まれたのが1990年代後半のアジア通貨危機だった。そのときは、通貨切り下げを行わず、アンカー役になった中国が今回の円安局面で、実質的に最初の切り下げに動いたのは注目される。

 以上のように見てくると、6月10日、黒田日銀総裁が円安牽制と受け止められる発言を行ったのは、やはりこのエコノミスト誌の「円安弊害論」を意識し、円安容認の軌道修正を始めることが「真の目的」だったのではないか。第2次アジア通貨危機を起こすきっかけとなった円安といった批判を警戒したということもあったのではないか。(了)

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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

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