「昭和天皇実録」と戦争

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終戦から70年を迎える2015年8月15日。当時を知る人の数は少なくなり、敗戦の記憶は社会から薄れてきている。

歴史教科書・学習参考書大手の山川出版社は、15年8月5日に一般図書『「昭和天皇実録」と戦争』(栗原俊雄著)を発売した。価格は1600円(税抜)。

難解な実録の明快な抄録

「昭和天皇実録」は、24年の歳月をかけ、宮内庁が編さんした昭和天皇の一代記。2014年9月に公開され、一般向け図書としては15年3月、東京書籍から全19巻の予定で順次刊行が始まった。「国史」と位置付けることができるこの書物は、太平洋戦争中の事績についても詳細な記述を残している。

しかし、原本は和綴じ本で61冊、総ページ数1万2000を超える大長編であり、独特の記述スタイルとあいまって読みこなすのは困難だ。

『「昭和天皇実録」と戦争』は、現代日本のターニングポイントとなった太平洋戦争にフォーカスし、同期間中の「実録」を読み解く内容となっている。

著者の栗原俊雄氏は、毎日新聞学芸部の現役記者で、戦艦大和やシベリヤ抑留に関する多数の著書がある。難解な「実録」の記述を、様々な補強証拠を用いて解きほぐし、読者に分かりやすく伝えてくれている。

昭和天皇は「特攻」をどう考えていたのか、戦況は天皇に正しく伝えられていたのか、「終戦の聖断」そのときの天皇は...、気になる70年前の真実が次々と明らかになる。