合成界面活性剤が使用されている食器用洗剤は避けよう  shutterstock

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 毎日の食器洗いに使う洗剤を選ぶ際、何を基準にしていますか? まさかテレビCMを見て、「あんなに簡単に油汚れがきれいになるのなら」ということではないでしょうね?

 テレビCMでは、洗浄能力の高さばかり強調されていますが、洗浄能力が高いということは、それだけ刺激の強い洗浄成分が使われているということです。これらの成分は合成界面活性剤で、手肌のたんぱく質を破壊して手荒れの原因になります。また、皮膚から体内に吸収されるので、妊娠中の方なら胎児に異常をきたす恐れもあります。

 今、あなたが使用している食器用洗剤に「肌荒れや手荒れが心配な方、また、お子様などは使用の際、ゴム手袋を着用して下さい」などの注意書きがあったら、かなり危険な合成界面活性剤が使われています。使用はやめるべきです。ゴム手袋などつい着用するのを忘れてしまうものですし、そんな危険な製品を子どもの手に届くキッチンに置くことが間違いの元です。

ヤシ油から作られようが、AESの毒性は変わりない

 食器用洗剤の洗浄成分に使われる合成界面活性剤には、いろいろな種類がありますが、「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム(AES)」はとくに注意が必要です。製品の表示にこの物質名があったら、購入はやめることです。

 AESの製造工程では、触媒として使われるジオキサンが製品にも混入している可能性があります。ジオキサンは発がん性が疑われている物質です。また催奇形性作用も懸念されます。つまり、皮膚から体内に侵入したジオキサンが、胎児に先天異常を引き起こす恐れがあるということです。動物実験では、ネズミに体重1kg当たり1.8gのジオキサンを投与すると、半数が死亡したという報告があります。

 AESは石油から作られたものがほとんどですが、パーム油(ヤシ油)から作られたものもあります。そうした製品は「植物由来だから安心」「環境にやさしい」「エコロジー」などと宣伝されています。しかし、「ヤシ油から作られようが、AESの毒性は変わりない」ということを忘れてはいけません。

 「ポリオキシエチレンアルキルエーテル(POER)」も、食器用洗剤によく使われている合成界面活性剤で、毒性はAESと同程度ですが、微生物によって分解されないため河川湖沼の環境汚染を引き起こしています。以前、横浜市の河川で鯉が大量に死んだことがありましたが、原因はこのPOERでした。

 食器用洗剤に使われる合成界面活性剤には、泡立ちをよくするものもあります。「アルキルスルホン酸ナトリウム(SAS)」が、その成分です。この成分も手肌のたんぱく質を破壊し、手荒れの原因になります。乾燥肌や敏感肌の方はSASの入った製品は使用しないほうが無難です。

 小さな子どもがいる家庭では、できるだけ合成界面活性剤の使用が少ない洗剤を選ぶことです。いちばん安全で安心できるが、合成界面活性剤無使用の洗剤です。洗浄成分に大豆レスチンを使った洗剤などが発売されていますので、そうしたものを使いましょう。

郡司和夫(ぐんじ・かずお)
フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。