強姦魔から身を隠した場所を指さす被害者

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 7月29日夜、中国江西省の北に位置する港湾都市九江の果樹園で、見回りをしていた53歳の中年男性が30歳の同性愛者の男に強姦される事件が起こった。

 数千エーカーに及ぶこの果樹園では、ぶどうや梨などの作物を育てている。現在はぶどうの収穫の季節でよく泥棒が盗みに来るため、人手を増やしてパトロールに当たっていた。同性愛者の男は数日前から昼夜、バイクで果樹園の周りをうろうろしており、職員から「果物を買いに来たのか?」と質問されると、「違う」と言ってその場を立ち去ったという。不審に思った果樹園の経営者は、万が一に備え、夜勤の職員に警棒を持たせてパトロールに当たらせていた。

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 そして事件当日の夜7時頃、見回りをしていた陳さんが、1人の男を果樹園そばで見かける。午後11時ごろ、この男はバイクに乗って再び果樹園を訪れる。陳さんが「こんな遅くに果樹園まで来て何をしているのか?」と尋ねると、男は「散歩しに来ただけだ」と答え、陳さんが休んでいる見張り小屋の近くでたばこを吸い始めた。陳さんは男の行動を怪しんだが、果物を盗む様子もないので、小屋の中で再度横になった。

 すると午前0時頃、男は突然、見張り小屋へ侵入。片腕で陳さんの首を絞め、服をロープの代わりにして縛り上げた。この時、陳さんは、殺されると思ったという。しかし男は、陳さんの服を脱がせ、上から覆いかぶさってきた。陳さんは体中をなめまわすように愛撫された後、陵辱されてしまったのだった。

 陳さんは助けを求めたが、布で口を塞がれ、声がほかの職員に届くことはなかった。1時間ほどして満足した男は「町に出て働いていた時は彼氏がいたが、今はいない。ずっと男日照りだったので、あなたに目をつけた」と、動機を語り始めたという。

 行為の後も男が居座り続けたため、陳さんはまた犯されるのではないかという恐怖に襲われた。なんとかその場から逃げ出すため、苦し紛れに「あっちの溝に今日捕まえたウサギがいる。家に持って帰って食べよう」と言うと、男は信じてウサギを取りに行った。その隙に、縛られた服から必死に抜け出した陳さんは、裸のまま、梨の木の近くにあった低木の茂みによじ登って隠れた。

 しばらくすると男は戻ってきて、懐中電灯であたりを探し始めたという。陳さんは恐怖で動けず、明け方4時半頃になってやっと下へ降りることができた。

 陳さんは前夜の出来事を経営者に話し、警察へ通報。廬山区公安局は目下犯人の男を捜索中だという。

 中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏によれば、中国ではこうした男性同士の強姦事件が数多く起きているという。

「私も北京の夜の街で、レイプの被害に遭った直後の男性を二度ほど見かけたことがあります。ただ、中国の刑法では、強姦罪やわいせつ罪は、被害者が女性もしくは児童でなければ成立しない。たとえ男性が男性にレイプされても、傷害罪くらいにしかならないので、ニュースになることもほとんどなかった。現在中国では刑法改正案が審議中ですが、男性も性犯罪の潜在的被害者として想定される見込みです」

 中国では男とはいえ、夜道のひとり歩きは避けたほうがよさそうだ。