準備期間の短さは指揮官が兼ねてから訴えてきたとおり。確かに十分な戦術浸透は期待薄かもしれないが、その中でもできることはある。1分け1敗と想定外の成績で早々にタイトルを逸しており、監督も選手たちもさすがに未勝利で帰るわけにはいかないと考えているはず。ハリルホジッチ監督自身も「勝ちたいのは私も同じ。当然ながら野心はなくなっていない」と改めて口にした。

 監督が目指す鋭い攻撃を優先しつつ、相手の出方次第でプライオリティを変えていけばいい。ピッチ内で選手の判断を期待すると同時に、戦況を見守るベンチからいかなる指示が出るのかにも注目すべきだろう。一つのボールに対してプレスに行くのかどうか、どの位置でボールを奪うように狙っていくのか、そして奪った瞬間に狙う攻撃の形をどうするのか。難しい条件がそろっているのは承知の上。その中で結果を出すため判断=ゲームマネジメントと勝負強さを見たい。もちろん勝利に対する意欲や渇望を見せ、球際の戦いで負けないことは言わずもがなだ。ここで見せる判断と結果が、その選手と日本代表の今後につながるとも思う。

 一足早く8日に中国代表と対戦したなでしこジャパンは2−0で勝利し、2連敗という苦境から抜け出して最終戦を白星で飾っている。即席チームながら徐々にまとまりを見せてきた男子の代表チームも、開催国を相手に意地を見せつけることができるのか。

 中国代表との東アジアカップ最終戦は、日本時間9日21時10分にキックオフされる。