映画『進撃の巨人』リル役・武田梨奈が語る「強い女」論

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今夏と秋に2部作で公開される話題のアクション超大作『進撃の巨人』や映画『TOKYO CITY GIRL』『かぐらめ』『木屋町DARUMA』を始め、出演映画とこれから撮影に入る映画が猛ラッシュ!

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いま最も勢いにのっている武田梨奈は、本物の空手家でもある、日本を代表するアクション女優だ。

そんな武田の凛とした強さがどこから生まれたのか?  彼女が思う強い女性とはどんな人なのか?  彼女を直撃した。

10歳の時に空手を始めた

頭突きで瓦を割るカード会社のCMで見る者を圧倒し、昨年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭では“新しい波を起こして欲しい映画人に贈られる”「ニューウェーブアワード」の第一回受賞者のひとりに選ばれた武田梨奈。

今年の同映画祭でも花井瑠美、三田真央らとともにプロジェクションマッピングとコラボした迫力満点でド派手なオープニング・アクションを炸裂させ、満員の観客を魅了した彼女は、誰もが認める日本を代表する現役最強のアクション女優だ。

10歳のときに空手を始めた武田の強さは、すでに琉球少林流空手道月心会の黒帯であることや、今年の1月18日に開催された「関東空手道選手権大会」の「高校・一般 型の部」「一般女子 組手の部」でW優勝を飾り、自身二度目となるMVPに輝いたことでも明らか。

しかも彼女は、身体能力の高さによる肉体的な強さだけではなく、精神面も強い。

チャレンジ精神も旺盛で、今年の“ゆうばり”には記念すべき初めて出演した海外の作品でもあるインドネシア映画『BUSHIDO SPIRIT』(14年/監督:RYUKEN RAISSA) 、『夜があけたら』の2作品を引っ提げての 参加だった。

「これまでにも海外の作品の出演のお話はいただいていたんですけどなかなか実現までいかなくて。『BUSHIDO〜』は日本の空手が描かれていたり、お兄さんを津波で亡くしたインドネシアの空手家の少年が再生していく物語は3.11の哀しみを乗り越えて立ち上がろうとしている東北の人たちとリンクしていたので、彼らと一緒に何かできたらいいなと思って。日本とインドネシアの交流をとにかく深めたかったんです」

憧れの女性は女子プロレスラーの高橋奈苗選手

そんな武田が憧れる“強くてカッコいい女性”は、女子プロレスラーの高橋奈苗選手だという。

「自分の場合は意外とネガティブなところもあるので。仕事でもやりたい!って思ったことに対しては強気なんですけど、あまり自信がないときは、自分なんかでいいのかな?って思ったりするんです」

だが、そのネガティブな自分を打ち負かすポジティブな姿勢こそが、武田に今日の成功をもたらしたと言っても過言ではない。

褒められて伸びるのではなく、怒られて伸びるタイプ

「ネガティブな自分に、ポジティブな自分が何が何でも勝つようにしています。

くよくよしている時点で負けだし、負けず嫌いなので、勝負に負けたり、物事がうまくいかないと悔しくて仕方がなくなるんです。

そういう時は自分を追い込んで。空手の試合でも先生からいつも『敵は相手じゃなくて自分だ。自分に勝て!』って言われるんですけど、自分を追い込んで、あとはひたすら練習するしかないですね。待っていることができないので、自分からどんどん攻めていきます」

「私は褒められて伸びるのではなく、怒られて伸びるタイプなんです」と自己分析する。

「家族もマネージャーさんも、空手の先生もいい意味で私を褒めることはしないんですよ。

私が落ち込んでいると逆にすごく怒ってくれて。でも、怒られるとやっぱり悔しいじゃないですか?

どうしてこんなことで怒られなきゃいけないんだって思うし、絶対に見返してやる!っていう気持ちになるんです」

自分の中に湧き上がる“悔しさ”こそが、武田梨奈の強さに源なのかもしれない。そのことを象徴する、彼女が決して忘れることのない過去の大きな事件を教えてくれた。

「いまの事務所の前に別の事務所に1年半ぐらいいたんですけど、なかなかお仕事が決まらなくて。

オーディションも落ち続けていたので、『もう少しだけチャンスをください』というお願いも聞いてもらえず、『もう無理です』って契約をばっさり切られちゃったんです。

そのときほど悔しかったことはないし、絶対に見返してやる!って思いました。でも、そのことがあったから、逆に頑張れたところがあるし、いまの事務所から声をかけてもらったときも前の事務所に対してざま〜見ろとは思わなくて。

それよりも、自分のやってきたことをちゃんと見てもらえるようになったんだなという嬉しい気持ちの方が強かったんですよね」

自分の魅力と存在感を強化するためには「続けることしかない」

だからといって、頑張れば道が開ける、明るい未来が待っているなどという根拠のない期待や幻想は抱いていない。

だが、自分の魅力と存在感を強化するためには「続けることしかない」という。

「今年の“ゆうばり”で『ニューウェーブアワード』に輝いた松岡茉優ちゃんとは中学生のころに一度共演してるんですけど、その後は本当に仕事がなくて、すごく暇だったんです(笑)。

当時共演した12人ぐらいのうちの半分以上の方が役者をやめてしまった。でも、私も茉優ちゃんも続けていたから、いまがあると思っていて。

ダメでも結果が出なくても、諦めずに続けることが大切だし、それで夢がかなうのかどうかは分からないけれど、夢に近づけるとは思っているんですよ」

昨年撮影した出演映画が6〜7本あることや、今年も同じぐらいの数の映画に出演の予定があることが武田の言葉を肯定する。

そして、彼女の“攻め”のスタンスに運命の女神も微笑み始めた。当初予定のなかった『進撃の巨人』(前篇公開中、後篇9月19日公開)への出演を自らの手で獲得したのだ。

「昨年の“ゆうばり”で樋口真嗣監督とお会いしたのがキッカケで『進撃の巨人』の出演が決まりました。映画のオリジナルキャラクターのリル役ですが、樋口監督には「いつもの武田梨奈とは違うキャラにしたい」と言われました。」

映画の公開に合わせて配信されるdTVのオリジナル・ドラマ版『進撃の巨人 ATTACK ON TAITAN 反撃の狼煙』にも同じリル役で出演(ハンジ篇 8月15日(土)配信 サシャ篇 8月22日(土)配信 フクシとリル篇 8月29日(土)配信)。

1話約30分の3部作で、対巨人用の兵器「立体機動装置」の誕生秘話やリルと渡部秀の演じるフクシがどういう経緯でカップルになったのかが描かれるようだが、製作発表会見で武田も「ドラマ版のアクションもアザができるほど激しいもの。いままでにないアクションができたと思う」と強調していただけに、こちらも興味深い。

そんな彼女について、劇場版で特殊造形プロデューサーを務め、ドラマ版では3作のうちの1本のメガホンもとった西村喜廣監督が「武田は絶対もっとアクションをさせた方がいいよ。もったいない!」と訴える。

「それぐらい彼女のアクションはいい。頑張ってやりました感がしないし、現実的に覚えるのが早い。

覚えが早いということは、自分のオリジナリティを出せて、そこで演技もできるということ。アクションだけでいっぱいになっちゃうと表情すら自分で作れないけど、武田は自分でそう言っているだけあって、本当の“アクション女優”ですよ」

武田梨奈の眼差しは世界へと向いている。

そんな中、2本目の海外の作品となるミャンマー映画『Yangon Runway』に千葉真一らとともに参加。

「ちょっとしたアクションもある」というこちらは現在撮影中で、そんな武田梨奈の眼差しは世界へと向いている。

「海外の作品にもっと出たい。映画を通してほかの国と交流を持ちたいし、私が海外と日本の架け橋になれたらいいなと思っているんです。

映画にしかできないこともありますから、今後は積極的に自分から海外に出て行こうと考えていて。

タイのアクション映画『チョコレート・バトラー』(11年)に出演していたテミ(K・キム)ちゃんともSNSで『いつかタイと韓国と日本の合作でアクション映画を撮りたね』っていつも話しているし、『マッハ!!!!!!!!』(03年/タイ)のプラッチャヤー・ビンゲーオ監督や『ザ・レイド』(11年/インドネシア)のギャレス・エヴァンス監督とも『いつか一緒に撮りたいですね』というやりとりをしているので、近い将来、それを実現したい。

それと、アメリカやカナダ、イギリスといった分かりやすい国ではなくて、自分があまり知らない国に行ってみたいんです。

フィリピンの友だちの話を聞いていたら、フィリピンも面白そうだったので、プライベートでも遊びに行きたいですね。言葉が通じなくても、生きていけますよ。同じ人間だし(笑)。それに私、食べ物は基本何でもいけちゃいますから!」

いや〜話を聞けば聞くほど頼もしい!

さまざまな経験で手に入れた「自信」と「強さ」で輝きと魅力をどんどん増している武田梨奈から、これからも目が離せない。彼女の快進撃はまだ始まったばかりだ!!