ホンダ『S660』と開発責任者の椋本陵氏

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 大ヒットの裏には、開発者の熱い思いとこだわりが詰まっている。200万円程度の価格で、中高年のセカンドカーとして圧倒的人気の「軽のスポーツカー」。その中でも絶好調なのが、ホンダ『S660』だ。『ビート』以来、19年ぶりに同社の軽スポーツカーが発売されると3か月で受注は1万3000台超、最長1年もの納車待ちとなっている。

 開発責任者となったのは27歳の椋本陵氏。入社4年目のときに社内コンペで軽スポーツカーの開発を提案、グランプリを獲得したことでの大抜擢だ。

「自分の手足のように思い通りに動いてくれる、乗っていて楽しいクルマをコンセプトに作り上げました。走りの良さとウェッジの効いたデザインが大きな特徴ですが、1台1台を丹念に作り上げています。匠の技を持つ従業員がパーツの位置決めをした上でロボット溶接を行なうなど、1日48台を手作業の工程も交えながら製造しています」(椋本氏)

 椋本氏を始め開発者たちも『S660』を注文、納車を心待ちにしているという。新世代のスポーツカーとして、中高年世代から熱い視線を集めている。

撮影■小倉雄一郎

※週刊ポスト2015年8月14日号