北朝鮮戦で先制点を決めた武藤。第2戦は出番がなかったものの、コンディションを万全に整え、中国戦での“通算2点目”を狙う。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト編集部)

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 武藤雄樹の表情が明るい。韓国との第2戦に出場しなかったため、8月9日の中国戦は万全のコンディションで迎えることができそうだ。
 
「今日で中5日。普段と変わらないサイクルなので、練習でも身体が軽いと感じた。明日の試合、いいプレーができると思います」
 
 今大会、日本のこれまでの2試合の戦い方は極端と言えた。
 
 北朝鮮戦は高い位置からボールを奪う狙いで臨んだ。立ち上がりはチャンスを作り出せたものの、途中から失速し逆転負けを喫した。すると、続く韓国戦は守備に重心を置いた。失点はPKよる1点だけに抑えることができたが、その分、チャンスの数も減った。
 
「韓国戦の守備は良かったと監督も話していたので、そこは崩してはいけない。そのなかで攻撃の部分は課題になってくる。早い攻撃とゆっくりするところを上手く合わせていけば、もっと良いサッカーになる。ただ、監督は早いサッカーを目指していると思うので、そこをしっかり出していきたい」
 
 チームとしてのゲームコントロールを重視する一方、自身のやるべきことは明確だ。相手に脅威を与えることで、勝利に貢献するというイメージを思い描く。
 
「僕の良さは相手の隙を突いて少しでも早く前へ出て、どんどん仕掛けていくところ。その自分の良さを忘れずに、アクセントを付けたい」
 
 中国戦の前日練習では、今大会初めて戦術的なメニューが組まれた。非公開のため詳細は明かされていないが、様々な面で選手と監督による確認がされた模様だ。
 
 それでもなお、コンビネーションは依然として問題を抱えたままだ。武藤も苦笑いを浮かべながら話す。
 
「(戦術練習をやったと)言っても短い時間ですし、すぐに素晴らしいサッカーができるかと言えば、難しいと思います」
 
 だからといって、準備期間の短さを言い訳にするつもりはない。すぐに表情を引き締めて続けた。
 
「3試合目ですし、間違いなく良くなっている。その良くなったところを、見せないといけない」
 
 なにより選手同士の理解が進んでいる実感は得ている。
 
「代表は合わせるものだと思う。前には特徴のある選手、個の能力が高い選手が多く、その良いところを合せていこうと練習の中でも話しています。だからこそ、攻撃の良い部分を見せたい」
 
 国内組によるメンバー編成とはいえ日本代表に初選出され、北朝鮮との第1戦でいきなり初ゴールをマーク。階段をひとつずつ登っている実感が、彼の向上心を一段と強く刺激する。
 
 日本代表への想いは大会前よりも大きく、揺るぎのないものとなってきている。
 
「代表に定着したいという想いが強く出てきた。どんどん欲が出てきている。明日、しっかり結果を残して、先につなげていきたい」
 
 間違いなく中国の地で、成長を遂げている。だからこそ、“ラッキーボーイ”と言われて終わらないためにも、中国戦は重要な一戦だと把握している。

 日本を勝利へ導くゴールは、彼自身の未来を切り開く“スタート”にもなる。