朝日新聞社は昨年9月から、一般人の自伝を本にする「自分史」事業に本格的に参入した。全ページフルカラーで、新書サイズや単行本サイズの「四六判」の選択ができる。本文には、135年の歴史を誇る朝日新聞の紙面や写真、世の中で起きた出来事の年表を引用できる。

 サービスには3種類の料金プランがある。一番価格が安い「自己編集コース」では、ウェブ上のフォーマットに当てはめて自分で自分史を作成する。「原稿持込コース」では、自分が書いた原稿を朝日新聞社のプロの編集者に見てもらい、アドバイスを受けながら本を作り上げる。

 そしてもう1つが、プロの記者が取材・執筆し、同じくプロの編集者が本にまとめあげる「記者取材コース」だ。

「お客様が社長経験者だった場合は経済部経験のある記者、地方の議員さんだったら政治部経験者など、短時間の取材でも自分史の内容に深みが出るようなベテラン記者に担当させ、サービスの充実を図っています」(朝日新聞社メディアラボ・自分史担当者)

 これまでに2000件を超える問い合わせがあり、そのうち約100件の「自分史」が進行中だという。朝日新聞社が発行元であり、なおかつベテラン記者が取材をして原稿まで書いてくれるとなれば、これだけの反響もうなずける。

 気になるのはそのお値段だが、「記者取材コース」は30部で111万円から。果たして妥当なのだろうか。

「人件費やフルカラーの印刷代が大きいです。その他の諸経費を考慮すれば、それほど高額ではないと思っています」(前出・自分史担当者)

 他の会社に自分史を依頼した場合はどうか。都内の出版業者の話。

「朝日のケースと同じくプロの記者・編集を使って作る場合だと、200〜300ページの四六判で300万円弱となる。ただし部数は300部出せます」

 クオリティやかかる時間など、様々な差があるために単純な比較は難しい。朝日は高いとも安いともいえない。

※週刊ポスト2015年8月14日号