10月にも日本郵政グループ3社の大型IPO(新規上場)が予定されている。日本郵政の株式は政府が100%、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式は日本郵政が100%保有する関係にある。政府保有株の放出としては、1987年に上場したNTT株、1998年上場のNTTドコモ株に続く大型案件とされ、市場からの調達額は3社合計で1兆〜2兆円規模に上ると見られる。

 バブル真っ只中のNTT株上場を彷彿させる、21世紀最大のIPOとなる日本郵政株はどうすれば入手できるのか。

 IPOに応募するには、まず証券会社に口座を開設し、株式購入を申し込むブックビルディングに参加する必要がある。どの証券会社でもいいわけではない。今回の郵政IPOを所管する財務省理財局政府出資室の担当者が説明する。

「野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ゴールドマン・サックス証券、JPモルガン証券の4社を中心に、大和証券やみずほ証券、SMBC日興証券など11社が主幹事証券会社となり、その下に(数十社規模の)他の証券会社がシンジケート団を構成して引き受ける予定です」

 このシンジケート団に入る引受証券会社でなければ、IPO株を取り扱えない。では、売り出し価格はどのように決まるのか。

「類似会社(ゆうちょ銀行ならメガバンクなど)の株価などを参考に主幹事証券会社が仮条件価格帯を提示し、それに対して『自分は〇〇円で何株買いたい』という申し込みを行なうのがブックビルディング。それを証券会社が集計した結果に基づいて公募価格が決まります」(同前)

 この時注意しなければならないのは、人気銘柄は仮条件価格帯の上限価格で決まることが多いので、上限価格で申し込むことだ。公募価格を下回る価格で応募した場合は抽選対象から外れてしまう。公募価格より高い価格で申し込んでいても、公募価格での購入となる。

 IPO株の割当は主幹事ほど多いため、前述の大手証券で申し込んだ方がいいように思えるが、必ずしもそうとは限らない。東京IPO編集長の西堀敬氏はこう指摘する。

「大手では1億円以上の残高を有するような大口顧客が優先されるため、小口顧客や新参者はなかなか食い込めない。最近ではネット証券が引受証券会社に名を連ねるようになり、その多くは1人1口しか申し込めない完全抽選なので、初心者ならネット証券で片っ端から申し込むほうが取得できる確率は高い。

 意外な狙い目は、対面営業主体の中小証券会社。今回の主幹事でもある岡三証券や東海東京証券のような準大手以下の中小では、取引先の拡大を目指して新規取引でも融通してくれる場合があります」

 家族に協力してもらって同じ証券会社に何口も応募するのも一計だろう。公募価格で入手できれば、初値で大きなリターンを手にすることも期待できる。たとえ抽選に外れても1円もかからないため、「お金のかからない宝くじ」と呼ばれるのも頷ける。

「上場承認が発表されてから1か月ほどの間にブックビルディングが実施されるので、それから口座開設しても間に合わない。10月上場なら9月後半に上場承認となるので、遅くとも9月の連休前までに口座開設を済ませておいた方がいいでしょう」(前出・西堀氏)

 とはいえ、「1兆〜2兆円規模の大型IPOになると、応募者にほぼ行き渡る可能性が高く、抽選になったとしても倍率は低いのではないか」と予測する市場関係者は多い。いたずらに不安に駆られる必要はないかもしれない。

※週刊ポスト2015年8月14日号