よく知らない米国企業の株に手を出すくらいなら、おなじみの世界企業を買うのが精神衛生上もよい
 株で儲けた人々の武勇伝が漏れ聞こえてくる一方で「インフレに備えよ」「円安時代に備えて外貨建て資産を持とう」といったメッセージも頻繁に聞かれる。そろそろ「自分も何か投資を始めないと、周囲から取り残されてしまうのではないか……!?」という焦りを感じ始めた人も多いのではないだろうか。

 とはいえ、世の中にはあまりにも多くの金融商品が溢れている。一体、何を買えばいいのか……とお悩みの皆さんに代わって、ここではマネーのプロたちに意見を求めた。ぜひ、投資デビューの一助としてもらいたい。

◆外貨建て資産を買うならコレ!

〈当てはまる人は必読!〉
■ 日本の将来が不安
■ 世界経済が気になる
■ 為替差益で儲けたい

 ドル円相場は30年かけて240円から70円まで落ちたのが、徐々に再び円安に向かっており、5月26日には約7年10か月ぶりに123円台をマーク。順当に考えれば、いま米ドルを買えば儲かるはず――なのだが、ドルがどのタイミングで、どこまで上がるかは未知数だ。

「為替だけで儲けるのは実は思っている以上に難しいもの。今からドルを買うなら、いったん115円前後まで下がるのを待ったほうがいいでしょう。米ドル預金はコストがかさむので、低レバレッジ(1〜3倍)のFXで取り引きするのがお勧めです」と話すのは、エコノミストの中原圭一氏。

「ある程度リスクが取れるなら、私なら米国株を買いますね」と断言するのは、『お金持ちの教科書』などの著作で知られる加谷珪一氏。企業の成長による収益と為替益の両取りを狙う戦略だ。

「とはいえ、アメリカの会社ってよくわからないという人も多いでしょう。そんなときは発想を変えて『グローバルで商売をしている日本企業』の株を買う。例えばトヨタは半分以上海外で生産を行っており、もはや日本の会社とは言えない部分があります。同様に、東レの炭素繊維などもドルベースの商売なので、円安が進めば株価はその分も含めて上がっていくはず」

 投資アドバイザーの櫻井英明氏は、株の代わりに「米国REIT」を推奨。ちなみにREITとは、投資家から集めた資金を不動産に投資し、そこで得た賃料収入分を分配金として還元する商品である。

「海外で不動産投資をするイメージですね。REITは利益の90%以上を配当に回すシステムなので、配当的には株より有利。さらに、目下アメリカでは金利が上昇中なので、それに伴い不動産もますます値上がりするでしょう」

 一方、資産2億円の個人投資家・www9945氏のイチオシも「外国株」だが、その中身はなんと「スイスの主要銀行に投資するファンド」。

「年初に起きた『スイスフラン・ショック』では、一夜にして40%ものスイスフラン高が進み、スイス企業に打撃を与えました。しかし、ロレックスやオメガといった企業は直ちに商品の値上げをして損失に対応。そんな芸当ができるのも、ほかに代えがないオンリーワン企業だからであり、スイスにはそんな企業が集中しているんです」

 スイス自体、国際競争力では常に1位2位を争う国であり、スイスフランが相対的に“強い”通貨であることは間違いない。株高とスイスフラン高のコンボは大きな夢を見せてくれそうだ。

◆厳選5商品

「レバ1〜3倍程度のFX(米ドル/円)」
外貨預金は個人投資家に人気だが、手数料が高いので円安時の儲けは少なく、円高になれば損をする。低レバFXを預金代わりに利用するのが正解

「新光 US-REITオープン」
基準価格/4810円 リターン(3年)/22.75%
主に米国のREITに分散投資するファンド。「昨年のS&PグローバルREIT指数の上昇率は15%と、S&P株価指数の約4%の上昇を凌駕している」(櫻井氏)

「グローバルで商売をしている日本企業の株」