閑散とした会場の影響なのかな。日本の選手からはチャレンジする気概すら伝わってこなかった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 試合会場の閑散とした雰囲気が影響したのか、日本の選手たちからはまるで覇気が感じられなかった。試合を観ていて、まるで興奮しなかった。
 
 この東アジアカップは、「チャレンジの大会」だったはず。日本代表のレギュラー組にいかにして食い込むか。選手としても、チームとしても、もう一度上へ上がっていこうという挑戦がテーマでもあったと思う。
 
 しかも初戦の北朝鮮戦で負けているんだ。優勝するためには、この韓国戦は是が非でも勝ちに行かなければいけなかった。
 
 でも、日本の選手からはチャレンジする気持ちさえ、伝わってこなかった。思い切って攻撃に繰り出した時間帯はまるでなかった。むしろ、決して質が高いとは言えない韓国の強引なアタックを、ただ食い止めてクリアするだけで精一杯だった。山口のゴールは素晴らしかったけど、その他に記憶に残るようなシーンは正直言って一切なかったよ。
 
 若いというだけで、溌剌さが微塵も感じられなかった。SBの遠藤と太田がオーバーラップした機会はほとんどなかったよね。太田が攻撃に加わるのは決まってセットプレーだけ。柴崎は一番見せ場である勝負どころで、攻撃を組み立てられない。

 永井の武器がスピードだというのは本当かな。相手をスピードで上回った場面はなかったよ。川又もフィジカルの強さが買われて出場したけど、相手を弾き飛ばすぐらいの気迫も伝わってこなかった。そういう意味では、初戦より酷かった。本当にガッカリだよ。
 
 ハリルジャパンで話題になるのは、独特の記者会見の方法だったり体脂肪率のことだったり、最近では「選手と緊急の話し合いがあった」「1時間40分のミーティングをやった」とか、ピッチ外のパフォーマンスのことばかり。でも、シンガポールに引き分けて、北朝鮮に負けて、韓国にも勝てず……結果は一向についてこない。
 
 ちょっとハリル劇場が危なくなってきたんじゃないかな。
 
 組織として問題に思うのが、霜田正浩技術委員長が2試合連続でベンチに座っていたことだ。しかも今回は交代で出る選手に指示を出しているところが、テレビにしっかり映し出されていた。
 
 監督を任命した上司が、選手に指示を出しているんだ。彼はちょっと請われて監督を助けているつもりかもしれないけど、そんなスタッフの体制でこの大会に臨むことは一切発表されていないよね。
 
 選手も、コーチも、みんな一流のプロなんだ。東アジアカップだから許される、というような生半可なスタンスでそこに座って指示しているのだとしたら、事態はかなり深刻なのかもしれない。だったら帯同しているオリンピック代表の手倉森監督がベンチ入りしたほうが、よっぽど意味があるはずだよ。
 そもそも日本協会が外国人の監督にA代表の指揮を委ねているのは、まだ日本には足りない部分が数多くあるから、そのレベルアップをするために様々な経験を積んできた歴戦の人に、お願いしてきたはずだよ。でも、監督の上司である強化担当の日本人が選手になにかしら説明をしている。これではまさに本末転倒。それは監督のことをバックアップしているとは言えないと思うね。
 
 霜田技術委員長は指導者のS級ライセンスを持っているから、不測の事態が起きた時には自分が代わりに監督をやりたいという下心があるのか……。そう疑われても仕方がないよ。
 
 しかも、そういった態勢を敷きながら、結果を残せていない。指示まで出しているんだから、霜田技術委員長にだって責任問題は出てくるよ。自分はそういう立場にはないと言うようだったら酷い話だ。
 
 実際、選手たちは誰の話に耳を傾けるべきか、ちょっと困惑しているようにも感じる。例えば、もしも監督が「ラインを押し上げろ」と言っているのに、選手たちがそれを聞かないで、ラインが上がっていなかったのだとしたら由々しき問題だ。