20〜30代の女性を襲うことがある「特発性頭蓋内圧亢進症」という疾患をご存じであろうか。医師はそれゆえに失明する寸前であった女性に、「毎日レッドブルを大量に飲み続けていた食生活に原因がありそうです」と告げたという。

英メディア『belfasttelegraph.co.uk』などが伝えたところによると、北アイルランド・アントリム州のニュータウンアビーという町で今年6月、体重が165kgもある26歳のレーナ・ルパリさんが予期せぬ病に倒れ、視力を失っていた。それは妊娠適齢期の若い女性の10万人に1人が発症する「特発性頭蓋内圧亢進症」という聞き慣れない名の病気で、肥満女性においてその確率は5000人に1人にまで跳ね上がる。この病に侵されると頭蓋内圧が著しく上がり頭痛に悩まされるが、耳鳴りや吐き気、複視(ものが2つに見える)を併うこともあり、視野が徐々に狭くなって気づかないうちに完全に失ってしまう場合があるという。

「長い間ひどい頭痛に苦しんでいたけれど、鎮静剤を飲むことでどうにかしのいできたわ」と医師に話したというレーナさん。そんなレーナさんの大好物はエナジードリンクの「レッドブル(Red Bull)」であった。3人の幼い子の子育てに追われて自身の食生活がおろそかになり、「食べてテイクアウトのファストフード。食べなくてもエナジードリンクがあれば」という日々を過ごし、その結果毎日平均28缶、3000kcal以上にもなるレッドブルを飲んでいたのだ。その驚愕の事実に医師は「レッドブルの飲み過ぎがその病気を招いた可能性が高い」と説明したという。厳しい指導によりレッドブルを控えるようになったレーナさんは今、どんどん体重を落として健康な体を目指している。視力を失いかけたという事実に、彼女の脱・レッドブル、脱・肥満の願望は切実だ。

たとえば250ml缶にはコーヒー1杯と同量のカフェインが含まれ、メーカーは「1日5缶以上は飲まないように」と勧告している。その飲み過ぎについてこれまでも欧米の専門家らは、目の中にフケや塵などが現れて水晶体の表面に付着し、視野をせばめてやがては失明につながりかねない「落屑緑内障」、そして心臓発作の原因になることがあると警鐘を鳴らしていた。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)