成長するにはピンチも必要!自分のトラブル解決能力をチェック

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仕事で起こるさまざまなトラブルをテキパキと解決していく人を見ると、憧れるもの。自分もそんなふうに問題を解決できているかどうか、気になるところだけど…。

人材育成やスキルアップのセミナー講師などとして活躍する新井淳子さんによると、「問題を完璧に解決できているかどうかは、3つの行動がカギとなります」とか。次の事態にどう対処するか考えて、自分に問題解決能力があるかどうかを判定しよう。
◆Q1 ミーティング直前に重要な人物にだけ連絡するのを忘れていたことが発覚。最初にすることは、次の3つのどれ?

(1)連絡し忘れていた重要人物に、ミーティング参加が可能か、ダメもとで聞く
(2)「上司に怒られるかも」とか「みんなに責められそう」など、これから起こりうる事態を憂える
(3)なぜ連絡し忘れたのか、ミスをした原因を考える

(2)のように自分が置かれた状況を憂い始めると、思考が停止してしまい問題解決に結びつかないことに。(3)のように原因を考えることも必要だけど、この場合、“やるべきことをし忘れていた”という状況なので、まずやらなければならないのは、その失念したことを少しでも早く実行する、ということ。ほかの選択肢を考える必要はない。ミスした原因は、そのあとで考えればOK。

問題発覚時にまず大切なのは、「即座に連絡する」「真摯に謝る」など、トラブルを最小限に抑えるための速やかかつ誠意ある行動。やるべきことが決まっている場合は、対処が早ければ早いほど、トラブルを最小限に抑える可能性が高くなる。よって、もっとも問題解決能力が高いのは、(1)。

◆Q2 重要な人物に連絡をしたけれど、ミーティングに参加できないことが判明。どうする?

(1)ミーティングの日時を変更することが最善策と考え、参加予定者全員に今回のミーティングはキャンセルする旨を連絡する
(2)重要人物をまずは確保することが重要と思い、その人の都合に合わせた日付にミーティングを変更する。
(3)ミーティングの日時を変更したほうがいいかもしれないけれど、それ以外にもなにか手はないか、いろいろ考えてみる

次のうち、問題解決能力が高いのは(3)。やるべきことはひとつだったQ1と異なり、ここでは目の前の問題を解決するために新たなアイデアが必要な状況。そのため、考えられる限りの案を出して、その中から最善策を選ぶと、自分も周囲も納得しやすい。(1)や(2)は解決策をひとつしか考えていないので、行動したあとでほかの選択肢があったことに気づき、後悔する可能性が。

◆Q3 ミーティングの日時を変更することで、なんとか問題が解決。そのあとはどうする?

(1)問題解決に時間を割いて予定が押しているので、すぐに次の仕事に取り掛かる。
(2)例え時間がなくても、次の仕事に取り掛かる前に「いつもと変わった行動をしなかったか」など、自分の行動を時系列で書き出して、ミスした原因を分析し、以後の対策を考える
(3)「もしかしたら寝不足が続いていたからかも」など思い当たる原因を上司に報告する。

問題解決能力が高いのは(2)。(1)のように原因を究明しないままだと同じ失敗を繰り返すことに。(3)は原因の分析に客観性が欠けている点が不十分。事後の原因究明では焦る必要はないので、(2)のように時間をかけて、きちんと自分の行動を振り返ろう。さらに対策も考えることが、問題解決能力の向上につながる。

「仕事ではどんなに完璧を期しても問題は起こるもの。そこで一つひとつの問題を解決していくことで成長したり、その責任感のある姿が周囲から評価されたりします」と新井さん。問題解決のための行動を意識して周囲も認める問題解決能力の高い女子をめざそう!

新井淳子
オフィスフローラン代表。日本プレゼンテーション協会認定講師、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー。職場の課題発掘と人材育成、モチベーションアップなどを図るコンサルティングやセミナー開催などを行い、スキルアップのサポート役として多方面で活躍中。