ヒッチハイクロボ hitchBOT、米国入り2週で暴漢に襲われ無念のリタイア。全身バラバラで帰国

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 カナダやドイツ、オランダをヒッチハイクし、途中で出会ったたくさんの人々との様子をネットで公開してきたヒッチハイクロボ hitchBOT が、米国に上陸しました。そして、バラバラにされました。  hitchBOT はカナダ Ryerson 大学の研究チームが開発したヒッチハイクロボ。LEDで表情が変わる顔やタブレットを備え、他人の善意に頼って目的地の近くまで運んでもらい旅をします。生まれた理由は、「人はロボットを信頼できるのか?」という疑問に対して、逆に「ロボットは人を信頼できるのか?」と問い返すことで、テクノロジーと人の関係性を研究するため。明和電機が開発に協力したのかと思えるボディにはタブレットと GPS、3G モデム、カメラ、マイク、そして愛嬌あふれる LED の顔を備えます。カナダ横断や欧州での旅に成功した hitchBOT は7月17日、新しい目標にアメリカ横断を掲げ、米国東海岸の土を踏みました。そしてヒッチハイク開始。ここでもたくさんの人とふれ合いつつ、ボストンではレッドソックスの試合を観戦。ニューヨークでは地下鉄に乗車するなど、その順調な旅路はやはり自由の国アメリカの偉大さを感じさせるものでした。...7月31日までは。事件が起こったのは8月1日未明。ペンシルバニア州フィラデルフィアに滞在しているはずの hitchBOT の消息が途絶えました。このとき hitchBOT はバッテリーが切れてしまっており、GPS からの位置情報も送信できないままフィラデルフィアの街角にひっそりと佇んでいたようです。8月1日夜になって、ロボットをモニターしていた研究チームに届いたのは、無残にも破壊されバラバラになった hitchBOT の写真でした。    その日、hitchBOT は次のようにツイートしました。「なんてこった!僕の体が壊されちゃったよ!でも僕は大丈夫、家に帰ってたくさんの友達と生活するんだ。いいロボットにもときどき悪いことは起こるもの。僕の旅はいったん終わるけど、人間のみんなから受けた愛情は決して忘れないよ。みんな、ありがとう」フィラデルフィアという地名は、古代ギリシャ語の「友愛」にちなみます。もとは平等主義を貫くクエーカー教徒の街で、初期にはネイティブアメリカンとも良好な関係を維持したとされます。残念ながらそんなフィラデルフィア市民でも、一部にはロボットと仲良くできない人がいたようです。なお、米国内でもこの件についての反響は大きいようで、"犯行現場"を捉えていたとする真偽不明の監視カメラ映像まで出回っています。 また最後に hitchBOT に接触したとされる YouTuberにも疑いの目が向けられるなど、犯人探しの動きもあります。ただ、フィラデルフィア警察は今回の件について捜査をしないとのこと。理由は「被害届がでていないから」。hitchBOT の研究チームは犯人探しには興味がなく、「この一件から何を学ぶかについてさらに研究する」としています。