韓国戦ではスタメンが予想される柴崎。チームの質を上げるために、この男の存在は欠かせない。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 渡中した7月30日以来、ペン記者用のミックスゾーンを素通りしていた柴崎岳が、ついに立ち止まった。言及したのは、逆転負けした北朝鮮戦についてだ。
 
「裏のスペースは空いていましたし、得点のチャンスは何回もあったので、攻め方が間違っているとは思いません。ただ、そこの精度は詰めなければならないし、もちろんそれ(縦に速い攻撃)だけではいけないと思うので、しっかりとゲームメイクをしなければならなかったですね。試合をとおして自分たちの時間は少なかったと思います」
 
 柴崎が出場したのは55分から。1点リードの状態でトップ下に入り、自身も何度か追加点のチャンスを迎えた。しかし、そうした決定機を逃しているうちに、チーム全体の運動量が著しく落ち、最後は北朝鮮のロングボールに屈した。
 
「自分たちのコンディション的な側面もありますけど、そのなかでも結果を出さなければいけない。この暑さでコンディションもまばらなチーム状態なので、ある程度、チーム全体として守備の時はどういった守り方をするのかを全員が意識する必要があると思います」
 
 失点シーンは、いずれも長身FWを目掛けたロングボールによるものだ。日本は単調な放り込みへの対応が極めて曖昧で、蹴らせないように前線からプレスをかけるのか、それとも人数をかけてゴール前のセカンドボールを拾うのかを、まったく定められていなかった。
 
 とはいえ、敗因はそれだけではない。先に述べた追加点のチャンスを逃し続けたのも理由のひとつで、柴崎はこうした攻撃面の不振について以下のように述べている。
 
「出場する選手の特長を活かした攻め方をしたいし、時間帯によってのゲームメイクもしたい。監督の目指す縦に速いサッカーが効果的であるのは間違いないので、そこの質と精度をチーム全体で上げないといけません」
 
 目指すスタイルは間違っていないが、「質」は高める必要がある。欧州組不在のなかで、その「質」を上げるのは自分の仕事だと理解しているのだろう。
 
 与えられるポジションが本職のボランチなのか、それともトップ下なのかは分からないが、どの役割を与えられても「ゲームメイク」をしたい。その力強い言葉は、代表の主軸としての自覚を感じさせた。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)