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大阪市立大学はこのほど、カワスズメ科の熱帯魚「ジュリドクロミス」が論理的に思考できることを証明したと発表した。

同成果は同大学大学院理学研究科の幸田正典 教授らの研究グループによるもので、8月3日にスイスの生物学専門誌「Frontiers in Ecology and Evolution」オンライン版に掲載される。

魚類はこれまで、刺激に反応する行動や単純な学習は出来ても、「A>B かつB>C であればA>C である」といった論理的思考能力は持っていないと考えられてきた。

今回の研究は、個体識別能力があり、弱い個体が強い個体に対し劣位行動を示すことが判明している「ジュリドクロミス」を用いて行われた。まず、3匹の個体のうち2匹を戦わせ、勝った個体をB、負けた個体をCとした。次に、AとBを戦わせ、Aが勝つところをCに見せた。これにより、Cは力関係が「A>B」かつ「B>C」であることを把握することになる。もし、論理的思考ができていれば「A>C」と考えているはずであり、CをAに会わせたら、CはAと戦う前に劣位行動を示すことが予想された。実際、AとCを別の水槽で出会わせたところ、12個体のCのうち11個体が劣位行動をとった。この結果、「ジュリドクロミス」のほとんどの個体が的確に論理的思考を行うと結論付けられた。

同研究グループは、同研究成果は今後の動物行動学や動物心理学での研究の前提や方向性に大きな影響を与えるだけでなく、脳神経科学の分野にも影響を及ぼすと考えており、「動物の中でヒトだけが賢く、魚類などの下等な脊椎動物は思考能力を持たない」という常識を変えることにつながるとしている。