「連続テレビ小説 まれ Part2 」NHK出版 

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朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)8月3日(月)放送。第19週「潮時じゃがいもガレット」第109話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:渡辺一貴

109話は、こんな話


いろいろあった末、圭太(山崎賢人/崎の大は立)が五代目・紺谷弥太郎を継ぐことになり、希(土屋太鳳)も乗りかかった船とばかりに、当分は塗師屋の女房になる気で、姑・直美(藤吉久美子)に指導を「お願い」してしまいます。
その頃、元治(田中泯)も引退を考えはじめ、希に塩竈でケーキをつくれと言い出して・・・。

「まれ」から得られる教訓1 自分より他人


希は終始一貫して、自分の夢より他人の夢を優先し、応援してきました。
そんな彼女は、結果的に夢に近づいています。今回も、元治に塩竈を譲ってもらえそう。
ガツガツ自分の道を突き進むよりも、ちょっとした自己犠牲や回り道を惜しまずにいると、より大きな利益を得ることができるようです。

「まれ」から得られる教訓2 お年寄りは若者に道を譲るべし


弥太郎(中村敦夫)に続き、元治が引退を決意。
ふたりとも、自分に厳しく、少しでも腕が落ちたら自ら身を引くという潔さをもっています。
いつまでも既得権益にしがみついている老人も世の中にはたくさんいらっしゃいますから、ドラマを見て、若いひとの可能性を伸ばしてあげようと考えるお年寄りが現れるといいなと願います。

今日の、小姑ツッコミ


お年寄りから若者へバトンを託す、という老人と若者の交流は地方都市の課題でもあると思います。ただ、中村敦夫さんも田中泯さんも矍鑠としていて、まだまだ全然働けそう。
というか、彼らおじいちゃん世代が一番エネルギッシュではないですか。徹(大泉洋)たちお父さん世代のグダグダ感を見てください。
せめて、弥太郎と元治、どちらかひとりは死ぬまで現役! と好きな仕事にこだわり続けるひととして描いても良いのではないかなあ・・・。

たくさんのひとが希を育んでいる


↑てなことをと余計なお世話ですが、思いましたけれど、「まれ」はそういう話(老人最強論)ではそもそもなくて、とにかくみんなが希のためにーーって感じです。
この感じ、最近どこかで見たなあ、と思ったら、現在大人気上映中のアニメーション映画「バケモノの子」でした。
天涯孤独の人間の少年・九太がバケモノ・熊徹に育てられる物語は、父親代わりは実は熊徹ひとりではなく、もっとたくさんの人が九太を育んでいたというふうに描かれており、これは細田守監督の考えが投影されているそうです。
「まれ」も似たところがあって、希はものすごく優れたところがあるわけではなく、むしろどじっこでちょっと一般常識からはずれていて、でも無垢なだけがとりえ。そんな彼女をどこでもみんながあたたかい目で見守り育んでいます。
ドラマ初期の希一家と元治と文夫婦との共同生活、希と圭太の遠距離結婚、徹と藍子の一時的離婚(じつはしてなかったけど)、横浜の大悟のとこの互いに連れ子ありの再婚などなど、家族の形の多様性を描いている「まれ」。次世代を担う希や圭太は、みんなにどう育ててもらうのか、あと2ヶ月、見守っていきましょう。
(木俣冬)

エキレビ!にて月〜土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから

いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))