北朝鮮20番の高さにやられた槙野「逃げずに立ち向かう」

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 2人で挟み、自由にジャンプさせないという策を取っていれば何とかなったかもしれないし、もう少し準備時間があれば、別の対策もできただろう。しかし、DF槙野智章(浦和)に言い訳をしようという気はさらさらなかった。「ああいうのは個の部分での勝負。僕としてはもっと高めていかないといけない」と、目に見えた課題をしっかりと見据えた。

 1-2の逆転負けを喫した北朝鮮戦から一夜明け、朝から猛暑の中国・武漢。北朝鮮の長身FW、背番号20のパク・ヒョンイルの高さにやられた場面について、槙野は真摯に反省していた。

「20番が入るまでは高さ対策の守備はできていたけど、結局、彼のところでやられてしまったのも事実。対応策は考えられるけど、個の強さは出していかないといけない。個の勝負のところで僕はもっと高めていかないといけない」

 後半33分に同点に追いつかれてから、ピッチ内の意思統一が不足していたのではないかという自責の念もある。同点とされたあとにハリルホジッチ監督が送り込んだ交代選手はFW浅野拓磨。その前に交代でピッチに入ったのがMF柴崎岳、FW興梠慎三だったことを思えば、「追加点を取ろうとしなければいけないというメッセージ」(槙野)と理解するのは自然だった。

 槙野が反省しているのは、点を取りに行きながらも最低限の勝ち点1を確保するという意識をピッチ内に浸透させるべきだったという点だ。特に後半はロングボールからのセカンドボールを拾うことができなくなった。ミスも増え、ボールを奪ってもすぐに失うという場面があまりに多かった。

 押し込まれているのが明らかという状況では、ベンチからの指示を待つだけでなく、選手同士でリスクマネジメントを徹底する意識付けをすべきだったという自戒だ。「選手間でもう少しコミュニケーションを取ることが必要だった。僕と森重(真人)で怒鳴るくらい声を出すべきだったと思う」

 残り2試合の相手は韓国と中国。いずれもターゲットとなる長身FWのいるチームであり、北朝鮮と同様にロングボールを放り込んでくる可能性は高い。「今回と同じ失敗をしてはいけない。ここで逃げても仕方ないので、正面を向いて立ち向かう」。槙野はきっぱりと前を見据えた。

(取材・文 矢内由美子)


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