インディカー、マシンに順位を表示する Leader Light System 採用。レース展開をわかりやすく

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F1 と並び称されるトップフォーミュラカーレース インディカー が、8月2日(日本時間3日朝)開催のレースから、マシンに順位をリアルタイム表示するLEDパネルを導入しました。

ドライバーの後方側面に取り付けられたLEDパネルには、レース中、そのマシンの順位を表示。さらにピットストップの際には表示を切り替え、タイヤ交換や給油にかかった時間を示します。インディカーといえば、100年を超える歴史を持つインディ 500 マイルレースで知られる米国のトップフォーミュラカテゴリー。ときにに F1 よりも高い最高速を叩き出すスプリントレースでありながら、1レースあたりの走行時間が2時間を超える耐久レース的な側面もあわせ持っています。

長丁場となる決勝レースでは、必ず出てくるのが周回遅れのマシン。特に1周数十秒で周回するオーバルコースのレースでは、トップを走っていたマシンがピットインのタイミングひとつでいとも簡単に周回遅れとなることもあります。

ある程度レースを見慣れたファンなら、それでもマシンやヘルメットのカラーリング、レースのおおまかな展開からどの車が上位でどれが下位かを推測しながらレースを楽しめます。しかし、まったく知識のないレース観戦初心者にとっては順位がわからないと「同じ所をぐるぐる回って何が楽しいのか....」というおきまりの感想しか出てこないことになりかねません。

そこでインディカーでは、今シーズン序盤から数回に渡り、マシンにリアルタイムな順位を表示するLEDボードの開発・テストをすすめていました。
 

 
見ためは何の変哲もないデジタル表示用 LED ボードですが、コース上、数か所に埋め込まれたタイム計測ラインを通過するたび、そのマシンの順位をアップデート表示するしくみです。

またレース中にタイヤ交換や給油をするピットストップでは、ピットクルーの作業時間(マシンの静止時間)を表示する機能を搭載。さらに前の車を追い越すためにターボ加給圧を高め、エンジン出力を上げる"Push to Pass"ボタン使用時には"P.P"と表示するなど、観客やテレビ視聴者にレース展開を伝えやすくする工夫も施しています。

ただ iPad mini ほどの面積で、厚さ3mm のこの LED ボードも、時に F1 より高い速度域で走るインディカーにとっては、空力的なバランスを乱す元凶となりえます。早ければ5月の インディ500 からと言われていた導入は、8月2日に開催されたオハイオ州ミドオハイオでの第14戦にまでもつれ込むこととなりました。

今回レースを観戦したファンのツイートを拾ってみると、「面白い」、「順位がわかりやすい」といった狙い通りのものから、「コースサイドだとマシンが速すぎて/遠すぎて読めない」、「結局ダンゴで走ると何がなんだかわからない」、「ダサい」、「えっ、あれカーナンバーじゃないの?」などさまざま。

インディカーでは、将来的に LED の表示色を増やすなどの改善点をあげていますが、それよりももう少しデザイン的な工夫が必要かもしれません。

ちなみに、レースカーに順位をリアルタイム表示するシステムは一般的に Leader Light System と呼ばれます。もともとはアメリカ国内の耐久レースシリーズ ALMS(現在のUnited Sports Car Championship:USCC) が、ファンの発案を拾い上げるかたちで導入しはじめたもので、2014年からはクラス順位の表示に対応しました。特に順位がわかりにくくなる耐久レースでの採用が活発化しています。
 

デイトナ24時間レースを走るマツダ MZ Racing のマシン。サイドに Leader Light System を搭載
 
一方、ヨーロッパを舞台とするシリーズでは、FIA 世界耐久選手権(WEC)で各カテゴリーの上位3位までを LED のドットで示すシステムが導入されている程度。スパ24時間レースを含むGTマシンのカテゴリーでは、米国と同様のシステムを採用するものもあります。

インディカーに後れを取ったものの、モータースポーツの最高峰 F1 でもマシンに順位を表示する動きがないわけではありません。昨年11月にはロールバーの上に LED で順位を表示する「インフォウィング」をテストしています。ただこちらも「ダサい」「ちょんまげか」などと酷評が相次ぎました。F1の場合は各チームが特色あるオリジナルマシンで参戦し、90分ほどで終わるレースの展開も比較的わかりやすいため、マシンの美観を損ねてまで順位を表示する必要性はそれほど高くないのかもしれません。