手つきトイレの一例。手だけでベンチによじ登って、トイレを一人で済ますことができる。

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住んでいる家を「終の棲家」にしたいという人は多い。100才になっても安心して暮らせるリフォームのノウハウをダイヤモンドQ編集部が紹介する。

「介護をする上で一番手間がかかり、介護される方も負担が大きいのがトイレとお風呂。この二つを何とかしないと、お互い不幸になってしまう」

 多くのリフォームを手掛けてきた建築家の天野彰・一級建築士事務所アトリエ4A代表は、介護の現場もつぶさに見てきた設計のプロだ。その現場でひらめいたのが、「手つきトイレ」だ。

 下図内の写真のように、洋式便器の両脇にしっかりとした台を設置するか、ベンチに便器を埋め込んでしまうものだ。便器の脇に手を突いて座れるのでバランスを崩して落ちにくい。何より、手だけでベンチによじ登って用を足すことができる。

 介護される人は、夜中にトイレに行くたびに家族や介助者を起こすのは申し訳ないと思い、無理をして自力でトイレに行くことがある。そこで転倒して骨折し、寝た切りになってしまうという事故が頻繁に起きている。そこで這ってでも一人でトイレに行け、事故も起きにくいのが手つきトイレだ。

 浴室についても同様に、湯船の隣にいったん座れる台があるだけで、入浴が楽になる。特に浴槽が深い場合は手すりと一緒に設置すれば安心だ。また脱衣室と浴室の間に段差がある場合は、すのこを敷いて高さを調整する。ちょっとした段差の方が人は転びやすいからだ。

 子供たちが独立して部屋がたくさん余っているのであれば、思い切ったリフォームをするのもいいだろう。その際、介護を見据えて、1階だけで生活できるように模様替えするといい。寝室の近くにトイレ、浴室を設置するのも実用的だ。細かいことだが、全ての室内のドアは引き戸に変えた方がいい。トイレなどで倒れた際に、引き戸であれば簡単に外からでもドアを開けることができる。

 天野代表は「50代、60代という元気なうちに、前向きなリフォームでもいいし、思い切って終の棲家に建て替えてもいいし、とにかく準備しておけば、それこそ100才になっても安心だろう」と説く。

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