礒崎陽輔HPより

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 ついに、渦中のあの人が本日午後1時から国会に参考人として招致される。安倍晋三首相の右腕である礒崎陽輔首相補佐官だ。

 問題となっている礒崎首相補佐官の「(安保関連法案の)法的安定性は関係ない」発言は、先月7月26日に大分県で開かれた講演会で飛び出したもの。それまで安倍首相は繰り返し「法的安定性に十分留意した」と述べてきたが、その逆をゆく発言が側近から起こったことに、野党だけでなく与党の公明党からも問題視する声が相次いでいた。

 だが、気になるのは、安倍首相の礒崎首相補佐官に対する態度だ。

 自民党は28日に礒崎首相補佐官が発言を陳謝したと発表し、安倍首相も30日の参院平和安全法制特別委員会で「(礒崎氏には)私から電話などで注意した」と説明。しかし、当の礒崎首相補佐官は28日、赤坂の「赤坂津つ井 総本店」で安倍首相と会食後に記者団に囲まれたとき、「(安倍首相からは)何も言われていません」と語っている。しかもこのとき、礒崎首相補佐官は赤ら顔で、いかにも酒を飲み交わしてきたかのような表情だった。

 すでに発言は大きな問題となっていたのに、その渦中にあって、結局、安倍首相は仲良く礒崎首相補佐官と楽しく会食しただけ。そんなあとに「電話で注意した」と言われても......。問題を大きく受け止めていたならば電話ではなく会食時に真っ先に注意しているはずで、結局、安倍首相にとっても「法的安定性」の問題など、どうってことないという認識だったのだろう。

 きょうの参考人招致で、その礒崎首相補佐官の危険な本音が再び暴露されるのだろうか。安倍さまのNHKは案の定、それを恐れてか、国会中継を取りやめている。

 もっとも、きょうの国会では、さすがの礒崎氏も用心して発言するだろう。これ以上足元をすくわれないよう、法務官僚から徹底したレクチャーを受け、官邸が巧妙な言い訳を用意したともいわれている。

 しかし、騙されてはいけない。国会ではしおらしく振る舞ったとしても、礒崎首相補佐官はこれまでもさまざまな暴言を繰り返してきた。先日は、安保法制強行採決の際に「デモは5000人未満」などというデマを流したこともある。

 そして、その前には10代の女子にTwitter上で安保法制について説教しながら、完全に論破され、あっさり相手をブロックして逃げ出してしまった。今回、そのときの記事を以下に再録するので、ぜひ読んでおいていただきたい。そして、このような政治家が、首相の側近中の側近であるという事実も、よく覚えておいてほしい。
(編集部)

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 安保法制国会では安倍政権の信じられないような「論理的整合性のなさ」「いい加減さ」、そして「憲法や安全保障への不勉強ぶり」が次々と明らかになっているが、ここにきてまたひとり、それを証明するご仁が登場した。

 安倍首相の側近の一人で、国家安全保障担当の首相補佐官を務める礒崎陽輔だ。自民党の憲法改正推進本部事務局長で同党の改憲草案を取りまとめ、第2次安倍内閣発足以降は首相補佐官として特定秘密保護法、そして今回の安保法制と、右派政策推進の中心的役割を担ってきた。

 ご存知の方もいると思うが、その礒崎が数日前、ツイッター上の集団的自衛権に関する議論で、なんと「10代の女の子」に論破され、逃げ出すという醜態を演じたのである。

始まりは、礒崎がツイッターで、集団的自衛権を「隣の家の火事」に例え〈「うちにはまだ延焼していないので、後ろから応援します。」と言って消火活動に加わらないで、我が家を本当に守れるのかという課題なのです〉などとつぶやいたことだった。

 これに対して、10代の女性から〈バカをさらけ出して恥ずかしくないんですか〉〈集団的自衛権と個別的自衛権の違いを勉強してください〉とリプライがあった。

 東大卒の礒崎は他人からバカ呼ばわりされたことがよほど気に障ったのだろう。〈それは私におっしゃっているのですか。「バカ」とまでおっしゃってくれていますので、是非あなたの高邁な理論を教えてください。中身の理由を言わないで結論だけ「バカ」というのは「××」ですよ。お待ちしています〉と、ケンカを吹っかけたのだ。

「××」なんていう伏せ字を使うなという時点ですでに政治家の物言いではないが、しかし、この女性はまったくひるまず、礒崎の求めに応じて、具体的に問題点を述べていく。

〈まず例えが下手。戦争と火事は全く別物〉〈戦争は火事と違って少しでも他国の戦争に加担すれ自国も危険にさらす〉〈火事は消化すれば解決する。殺し合いは必要ない。戦争は違うよね? 殺し合って何万人何十万人何百万人が死んでくんだよ。それに日本が加担するってことだよ。バカって図星すぎてカチンときたのかな?〉

 すると、礒崎は〈あなたも「例え話」というのが分からないのですか。「例え話」は、本来の話と異なる話から、本来の話の理解を促すものですよね〉〈あなたこそ、一から勉強し直してください〉と、ムキになって子どもじみた反論を始めたのだ。

 しかし、これも彼女にかかると一刀両断だ。

〈例え話は同等の物で例えないと例えにならないんだよ。わかりますか? あとその自衛権の行使は個別的自衛権で対応可能だよって。そこ勉強しろよ〉

 さらに、他国が日本を守る戦いなんて現実にあるのか、どの国がどんな理由で戦うのか、その原因は何かなど、礒崎に対して矢継ぎ早に質問に浴びせかけたのだ。

 礒崎はこれにまともな答えができないままタジタジ。そして、別のユーザーから〈一般ユーザーの意見に反応するのは結構だけど10代の女の子に、この大人げなさ。世間の最大注目集めている法案担当の総理大臣補佐官が、だよ〉と非難されると、礒崎は〈10代の女の子でしたか。知りませんでした。悪しからず。ただ、来年から選挙権年齢も18歳以上に引き下げられますので、10代だからと言って軽視しては、叱られるのではないでしょうか〉と、意味不明のつぶやきを残して、そのまま女性をブロックしてしまったのだ。

 ネットでは「情けなさすぎる」「レベル低すぎ」「大人げない」と礒崎への非難が殺到したが、こんな人物が首相補佐官として安保法制の担当者をつとめてきたというのは、たしかにびっくりである。

 しかし、実は礒崎は過去にもツイッターの発言で何度も物議を醸したことがある。

 10代女子にからんだ数日前にも、ユーザーからの批判に〈集団安全保障措置は、「戦争」ではありませんから、「参戦」ではありません〉と主張。さらに〈集団安全保障措置が戦争ではないというのであれば、いわゆる「湾岸戦争」も戦争ではなかったとお考えですか?〉と質問されると、〈湾岸戦争は、国連安全保障理事会の武力行使容認決議が成立したまれな例ですから、もちろん「戦争」ではありません。ただし、少なくとも、クウェートは個別的自衛権を行使したのですから、そこは戦争であったのでしょう〉と無茶苦茶な理屈を開陳している。

〈多国籍軍の集団安全保障措置は、「戦争」とは呼ばないと言っているのです。イラクの行為は不当な侵略行為ですから、「戦争」です。歴史家が紛争全体をどう呼ぶかは、私は関知しません〉

 きわめつけは3年前の「立憲主義など聞いたことがない」というツイートだ。

〈時々、憲法改正草案に対して、「立憲主義」を理解していないという意味不明の批判を頂きます。この言葉は、Wikipediaにも載っていますが、学生時代の憲法講義では聴いたことがありません。昔からある学説なのでしょうか〉(2012年5月28日)

 礒崎は地元大分の県立舞鶴高校から東大法学部を卒業し、自治省に入った。官僚時代に『公務員のための公用文の書き方』(良書普及会)『分かりやすい法律・条例文の書き方』(ぎょうせい)といった小物感漂う著書を何点も出しているから、お勉強は得意だったのだろう。だが、自分が大学の講義で聞いたことがなかったからといって、知らないことを恥じるでもなく「そんなものあるのか」と開き直る姿は、まさに反知性主義そのものといえるだろう。

 しかも、このとき、「立憲主義も知らずに草案をつくったのか」との批判を受けると、礒崎は先日の10代女子に対してのときと同じように、ムキになってバカ丸出しの反論をしていた。

〈「立憲主義」、Wikipediaでは、樋口陽一先生の著書が引用されています。私は、芦部信喜先生に憲法を習いましたが、そんな言葉は聞いたことがありません。いつからの学説でしょうか?〉〈我々が憲法の教科書に使ったのは、有斐閣の法律学全集で、清宮四郎先生と宮澤俊義先生のもの。ありませんね。佐藤功先生の「日本国憲法概説」を見ていますが、「立憲主義」は、ないようです。法制局に聞くと、京都大学の佐藤幸治先生が広めたのではないかと。それならば、80年代以降でしょう〉

 アンタが何年にどんな勉強をしてきたのかは関係ないし、ウィキを引く暇があったらもっと勉強しろとツッコミを入れたくなるが、いずれにせよ、知の蓄積をないがしろにして、自らの体験・経験に基づき世の中を自分の都合のいいように解釈しようという態度がアリアリとわかるだろう。これは、権威ある憲法学者の見解を頭ごなしに否定するばかりか、「学者のいう通りにしたら日本の平和が保たれたのか」(高村正彦・自民党副総裁)と、学者の存在そのものを否定し始めた安倍政権の姿勢そのものなのだ。

 反知性主義の具体例としてよく引き合いに出される古代ローマでは、国民が政治に文句を言わないようにパンと娯楽を与え続けたという。これなど安倍政権が官製相場で株高を演出することで国民に文句を言わせないようにしているのとソックリだ。そして、その象徴的存在である礒崎は改憲についてこんな本音も漏らしている。

 今年2月に盛岡市で行われた改憲に向けての自民党の「対話集会」でのこと。党員や支持者ら約200人を前に「来年中に1回目の国民投票まで持っていきたい。遅くとも再来年の春にはやりたい」とスケジュールを話した後、「憲法改正を国民に1回味わってもらう。『憲法改正はそんなに怖いものではない』となったら、2回目以降は難しいことを少しやっていこうと思う」と発言したというのだ。

 改憲の主体は国民であるべきはずだが、この人の頭の中では国家が主体で、国民を徐々に改憲に向けて調教していこうという発想になっているらしい。パンと娯楽を与えておけば、株高さえ続いていれば、国民は文句を言わないとタカをくくっているのである。もっとも、神道政治連盟国会議員懇談会や創生「日本」、日本会議国会議員懇談会に所属している、安倍取り巻きのゴリゴリ右派だけに、当然のことかもしれない。

 だからこそ、反知性主義丸出しで「立憲主義」を「聞いたことがない」「教科書に書いてなかった」などと言い切ることができるのだろう。
 ちなみに、官房長官の菅義偉が先日、国会で「集団的自衛権は合憲だとする憲法学者」として3人の具体名を挙げたが、いずれも日本会議の関係者(関連団体の役員)だったことがわかっている。

 安倍政権のまわりにいる、こうした知性のかけらもない偏った思想の人たちの手で、これから日本という国のかたちはどんどん変えられていくのだろう。
(野尻民夫)