【DNA Diet and Lifestyle】vol.16: ≪最終回≫私達は何をしたらいいのか 〜遺伝子に沿った食事と生活〜

徐々に蝕まれる身体…
半年以上続けてきたこの連載も、ついに最終回です。
私達は「外から取り入れる毒」と、「体内で作る毒」に常にさらされています。
もちろん、遺伝子はこのことを想定済みで、動物はグルタチオンペルオキシダーゼやメラトニンなど、色々な「毒消し術」を備えています。
ところが「毒消し術」の容量を超えてしまうと体内には処理しきれなかった毒が残ってしまい、それが積み重なり徐々に身体を蝕んでいくのです。
例えばタバコには何百種類の毒があることが明らかですが、タバコを一本吸ったからといって、すぐに倒れるほどの病気になるわけではありません。長い年月をかけて、ゆっくりじわじわと体(遺伝子の働き)を痛めつけるのです。
すでにお話ししましたが、一つの遺伝子の異常で病気が起こることは生まれつきの病気以外には滅多にありません。複数の遺伝子の傷の重なりで病気になるのです。
日々の生活の重要性
毎日の生活の中で毒を避けるのが大切なのは、タバコを吸わないようなものです。
ヒトに共生する細菌への影響はともかく、少量の毒にはヒトの体はある程度耐えられます。つまり、フグ毒のような猛毒でなければ耐えられるわけです。だからといって、少しずつでも毎日毎日、遺伝子の想定範囲外の毒や、身体が処理しきれないような量の毒を取り入れたら、あるいは体内で毒を山ほど作り続けたらどうなるでしょうか?
毎日長い年月の果てに病気になるのです。それが、メタボであり、ガンであり、アレルギーであるわけです。「日々の生活が大切だ」というのはそこなのです。
遺伝子に沿った食事と生活!
遺伝子に沿った食事と生活こそが将来の病気を予防したり、現在の病気を軽くしたりするのには重要なのです。そしてそのための具体的な方法は驚くほど簡単です。
食事に関しては、この3原則
1. 穀類、豆類を減らす(穀類や豆類は毒が強いので生では食べられないのです)
2. 肉、魚、野菜を食べる
3. 全ての「質」に注目し、毒の入ったものをできるだけ避ける
たったこれだけです。なんだか拍子抜けではありませんか?
生活に関しても簡単です。
・早寝早起き朝ご飯
・ストレスは利用したり発散したりし、心を平静に保つ
・運動は必要だが長時間の運動や激しい運動はしない
・タバコなどの毒をできるだけ取り入れない
たったこれだけです。
昔の人類がやっていたことです。自然界の動物が何も考えずにやっていることです。難しいはずがありません。
大切なのは、きちんと知って実行すること。
なぁんだ、そんなこと知っていたよ、という方。
どこまで深く知っていて、どこまで実行していますか?完璧なら将来に何の不安もないことでしょう。
人の遺伝子から見た寿命は120年と言われています。きっと120歳の最後まで生き生き元気はつらつと過ごせることでしょう!
また、より多くの方が「質」にこだわれば、長期的には良い商品を作る生産者が増え、よりよいものがよりやすく手に入る世の中になっていくのではないでしょうか。
「成功者とはその人だけに見える新事実を、実行することのできる人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実を、実行する人のことである。」(作家、塩野七海さんの言葉をもじってみました)
お互いに元気ハツラツと素晴らしい人生を過ごしましょう!私達自身の健康が、次の世代によりよい社会を残すための最高の策でもあるでしょうから!
〜医師:松本 明子〜