オジサンは生中1杯で顔を赤くして、ほろ酔い加減。デスクは、もっと飲みたそうな顔をしている。

オジサン もっと飲むかい?
デスク そうですね。焼酎がいいな。ロックで。
 おっ、日本酒じゃないの。
 最近は焼酎ですね。悪酔いしないみたいなので……。
 酒の種類の問題じゃなくて、だいたいが昔からオマエさんは飲み過ぎなんだよ。
 そんなことないですよ。先輩は?
 同じものにするかな。
  ところで、話の続きだけど、ユニバーサルサービスとして郵便事業を残すということになれば、片田舎の郵便局はそのまま残ることになり、「局」という箱つまり建物が残るならば、金融(郵貯)も保険(簡保)もそのままそこでやっていてもいいということになるんじゃないかなぁ。
 なかなか鋭いところをつきますね。郵政を民営化してもいいけれど、いま行われているユニバーサルサービスは全部そのまま継続するということですね。
 そういうこと。
 ただ、そんなことをすると、単に「郵政公社」が「郵政株式会社」になるだけですから、本来の「民営化」、つまり竹中大臣が考えている「民営化」とはずいぶん違ったものになってしまうかもしれませんよ。
 どういうことだい?
 たとえば、全国一律にサービスを提供するにはコストがかかる。その分を国で補填してくれということになり、税金が使われる。その結果、国民の負担が増えるという最悪のパターンになるかもしれないということです。
 そぉーか。いまの日本の財政事情を考えると、そんなことできない相談だよな。

イコールフッティングの問題

 実は、もうひとつの問題があるんです。それは、いまのままで「民営化」されては困るという批判が、民間から出ていることなんです。
 「民業圧迫」という問題だね。
 そうです。郵貯は世界最大の金融機関で日本の4メガバンクを合わせたよりも多い預金量をもっているし、簡保は日本最大の保険会社の3倍の規模です。郵便局は全国に2万4700もあって、セブン-イレブンとローソンを合わせた数よりも多いんです。つまり、そんな巨大会社が、政府からの補填を受けるという状況のままで「民営化」されたら、とうてい太刀打ちできない、という声が挙がっていることです。だから、「イコールフッティング」にしてくれ、というわけです。
 またカタカナ語か?
 スイマセン。わかりやすくいえば、「同じ土俵で勝負させてくれ」ということです。
 酒の席では、オマエさんと「イコールフッティング」ということにはなりそうもないけれども、……。
 そんなことないですよ。で、もう一杯飲みませんか。
 オッケー。(了)