この日のスタメンで22歳の遠藤(21番)が最年少。代表デビュー戦ながらプレーに硬さは見られず、開始3分に低くて速いクロスで武藤の先制ゴールをアシストした。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 東アジアカップの北朝鮮戦で遠藤航が受けたテストは、チームの誰よりも難易度が高かった。湘南で務める3バックの右サイドでも、U-22代表で定位置のボランチでもなく、4バックの右SBで先発したからだ。しかも、国際Aマッチデビュー戦である。
 
【マッチレポート】日本 1-2 北朝鮮

 とはいえ、見慣れない背番号21を着けた遠藤に硬さはないのだ。緊張感に身体と心が縛られてしまうタイプではなく、この日も「それほど緊張もなくゲームに入れました」と話す。
 
「森重さん、槙野さんがよく声を掛けてくれたし、周りの選手に助けられたおかげです」と付け加えたものの、スタメン最年少の22歳は先制点を呼び込んでいる。前半開始直後の3分、武藤雄樹の先制弾をアシストしたのだ。
 
「立ち上がりだったので、どんどん前へ出ていこうというのを、自分のなかで意識していました。ボールを持って顔を上げた時に、武藤くんが走り込んだのが見えたので、ディフェンスとキーパーの間に蹴ればチャンスになるかなと思った。イメージどおりでした。本当に上手く走り込んでくれたし、走り込みのタイミングにボールを合わせられたので、良かったと思います」
 
 右サイドからの低くて速いクロスは、湘南でもたびたび見せているストロングポイントだ。攻撃面における「遠藤らしいプレー」のひとつである。
 
 ディフェンスの局面でも、自らの特徴を相手にぶつけた。
 
「最低でも1対1で負けない、クロスを上げさせないというのは自分のなかで意識していたので、そういうところはできたと思います。相手は自分と相対する選手だけでなく、2列目の選手もクロスに入ってきたので、そういうところの対応も悪くはなかったと思うんですけど……」
 
 
 汗が滴る表情に、悔しさがよぎった。後半途中からロングボールに活路を求めた北朝鮮に、2失点を喫してしまったからである。
 
「1失点目の時は森重さんが競ったんですけど、自分と森重さんの間から20番の選手に走り込まれた。それに対して僕が身体を入れたりして、自由に競らせないようなプレーをすれば良かったんじゃないか。自分の後ろにも選手がいたので、そこが少し気になっちゃんたですけど、もっと違う対応ができたんじゃないかと思うんです」
 
 不慣れな右SBで出場したこともあり、実は前半は体力的なキツさを感じていたという。「でも、後半は少し慣れて、自分なりにやれた部分もあった」と続ける。
 
「今日みたいに1-0の展開なら、我慢して守るのもひとつ大事で、まずは失点しないことを考えていたものの、やっぱりカウンターのチャンスは何回かあったし、実際にチャンスも作っていた。そういうプレーに、僕も絡んでいけるようになればいいかなと思います。ディフェンスでやるべきことをやりながら、ボールを奪って前へ出ていく回数を増やしていきたい」
 
 ピッチで感じた課題を、残り2試合でさらに磨き上げられるか。「また機会があれば」と控えめに話すものの、曇りのない表情には自信が浮かんでいた。