安倍首相は必死に訴える若者たちの声も無視するのか?

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「とりま廃案!」「それなそれな!」「安倍晋三がいちばん脅威!」「マジ安倍いらない!」

 本日8月2日、渋谷で大規模な安保法制反対デモが開催された。きょう立ち上がったのは、高校生たち。高校生などの10代が中心となって戦争法案に反対するために立ち上げられたグループ・T-ns SOWL(Teens stand up to oppose war law)だ。主催者発表によると、5000人が集まったという。

 デモには安保法制に反対するアイドルグループ・制服向上委員会のメンバーも駆けつけ、渋谷から原宿を大行進。制服姿でプラカードを掲げる、まだあどけない顔立ちの若者たちが数多く集った。そして、デモの先頭を走るサウンドカーからスピーチした10代の女子は、人で賑わう原宿駅前にさしかかると「私も原宿でショッピングしたい。でも、いまは声を上げなきゃいけないんです」と訴えた。

「実際に戦争に行くのは政治家のおじさんたちじゃなくて、私たちなんだよ」──。その言葉は、きょう参加した高校生たちだけがもっている危機感ではない。それを象徴するかのように、現在発売中のティーン向けファッション誌「SEVENTEEN」(集英社)9月号までもが、「真夏のスタメンコーデ★大発表--!!」や「進撃の小顔特集」といった企画とともに、戦後70年や憲法9条、憲法改正問題を特集しているのだ。

 その特集タイトルは、「教科書の中だけのできごとじゃないから、今、私たちが考える。17sで考えよう"戦後70年"」。憲法学者の木村草太を講師に迎え、高校生をメインにした読者たちが戦争について考えるという企画だ。

「SEVENTEEN」といえば、広瀬すずや三吉彩花といった人気モデルを配する、女子中学生・高校生のバイブル的ファッション誌。だが、その読者たちが寄せる声を読むと、戦争に対する関心の高さがうかがえる。

 たとえば、「憲法を変えるべき?変えないべき?」という問いに、高校1年の女子は「もし戦争がどっかで起きて、それに自分も行きたいかって聞かれたら、行きたくないですし。憲法を変えないでほしい」と主張。また別の高校1年の女子は、「せっかく決めたのに、改正やらなんちゃらでそれを変えてしまったら今後も変わることがまたあるんじゃないか?と思いました」という。戦争には行きたくないし、かんたんに改正してしまえば歯止めがきかなくなるのではないか──そうした危機意識を彼女たちがもっていることがわかる意見だ。

 また、憲法9条についても、高校3年の女子は「憲法9条は、日本を引きこもらせるものではなく、国際支援をしやすくするためのものであることを認識すべきだと思う」と、与党の政治家などよりもずっとしっかりした意見を展開。現在世界で起こっている戦争についても、大学1年の女子は「戦争でしか解決できないことを限りなくゼロにするためにも、これからもよりよい国際法を追求していってほしい。戦争は絶対にダメだと思う!!」という。

 先生役を引き受けた木村氏は、〈「1945年」を「反省」ではなく、「敗戦の屈辱」の出発点だと考えてしまう人もいます。そうした人々にとっては、日本国憲法の制定も、民主主義の定着も、平和の実現も、すべてが敗戦国による押しつけに見えてしまうのです〉〈憲法について議論したり、政治家になったりする人の中には、「敗戦の屈辱」にこだわる人が集まりがちです〉と現在の状況を解説した上で、この企画に集まった「SEVENTEEN」の読者たちとの対話の感想をこう述べている。

〈あまりに饒舌な(敗戦の屈辱を抱える)彼らの話を聞いていると、だんだん、「自分のほうがおかしいのかな」と不安になることがあります。ところが、今回のゼミでお話したみなさんは、「過去の反省はしなければいけないけど、敗戦の屈辱をいつまでもかかえていても前向きな気持ちにはなれない」と語ってくれました。それが、良識ある圧倒的多数の人にとって、素直な感覚だと思います〉

 安倍首相を筆頭に、自民党にもネット上にも、70年前の侵略戦争という過ちを正当化しようとする勝手な大人たちが大勢いる。だが、多くの高校生たちはその欺瞞にきちんと気づいているのだ。

 きょうのデモでも、高校生たちは18歳に引き下げられた選挙権や経済的徴兵制にもふれ、安保法制を"自分たち若者の問題だ"と叫んだ。安倍首相にとっては、若者はみんなネトウヨだと見下し、選挙権の18歳引き下げは自分たちには好都合だと考えたのだろうが、そうはいかない。「マジ安倍いらない!」という生の声は、確実に広がっている。
(水井多賀子)