これが事実だとすると、これまでのように親方や力士たちの先頭に立って采配は振るえないだろう。
 「北の湖理事長の任期は来年の1月まで。当面は八角事業部長が代行、あるいは補佐してしのぐことになりそうだが、問題はその後だ。体調面さえクリアできれば、もう1期(2年)、北の湖時代が続くとみられていたが、今の状態ではとてもそんな余力はなさそう。今期限りで辞任し、次の理事長にバトンタッチする可能性が高い」(前出の担当記者)

 後任としては、現在、有力な候補が2人いる。理事長代行を務めている八角親方と、企画担当部長などの要職にあるナンバー3の貴乃花親方だ。
 「どちらも次期理事長に意欲は十分。両者の微妙な思惑が交錯しているだけに、協会上層部が北の湖理事長の病状をひた隠しにしているのかもしれません」(同)

 一方、本来ならこの理事長選に割って入ってもおかしくない九重親方も、初日から全休した。こちらも「内臓疾患で約3週間の入院が必要」というだけで、詳しい病名や入院先などは一切、公にされていない。
 この突然の休場に驚いた協会関係者は多かった。というのも、先場所後の5月31日、太刀持ちに白鵬、露払いに日馬富士の両横綱を従え、60歳には見えない筋肉隆々とした体で堂々と『還暦土俵入り』を披露。「(定年まで)あと5年。残された在籍期間をしっかりがんばっていきたい」と語ったばかりだったからだ。

 しかも、千代大龍や千代鳳といった弟子たちすら、病名はおろか入院した事実を知らず、「新聞を見てビックリした」と話しているほどなのである。このことから、北の湖理事長同様、九重親方の入院も相当に深刻な事態だと察せられる。
 「九重親方は自分の体に絶対の自信を持ち、酒も毎晩のようにあおっていました。それもかなり強い洋酒を…。もしかしたら胃や肝臓などが悲鳴を上げているのかもしれません」(一門関係者)

 とはいえ、次のように揶揄する協会関係者もいる。
 「還暦土俵入りで集まった招待客は約1200人。会費は1人3万円で、ご祝儀も含めると、九重親方のフトコロには相当な金額が転げ込んできたはず。必要経費を差し引いても、内臓が冷えてしまうようなことはないはずだけど…」

 昭和を代表する大横綱2人の相次ぐ病欠が、波紋を呼んでいることは確かだ。