受動喫煙をなくせば年間6800人の死者が減る!? kai/PIXTA(ピクスタ)

写真拡大

 筋肉をつけるにはプロテイン! ダイエットするならプロテイン! そんなイメージをもっていないだろうか?

 ところで、「プロテイン」とは一体何だろう?

 そもそもプロテインを日本語に訳すと「タンパク質」という意味だ。タンパク質は、ヒトのカラダを構成する栄養素のひとつで、肉や魚、大豆などにも含まれている。また「サプリメント」とは日本語で「栄養補助食品」のこと。皆さんがプロテインと呼んでいるのは、「タンパク質を粉末にして飲みやすくしたプロテインパウダーという栄養補助食品」、つまりサプリメントの一つといえるだろう。

 人のカラダを構成している成分で一番多いのは水分だが、水分の次に多いのがタンパク質だ。筋肉はもちろん、皮膚や髪の毛、内臓などカラダの主な組織の構成材料はタンパク質。だから、プロテイン=タンパク質はカラダにとって最も重要な栄養素の一つといえる。

プロテインを飲めば簡単にマッチョなれる?

 ではなぜ、「プロテインを飲むと筋肉がつく」、そんなイメージが定着したのか?

 たぶん、筋肉隆々のボディビルダーやアスリートが広告・宣伝でアピールしたり、飲んでいる場面を目にすることが多いせいかもしれない。ダイエット効果のイメージは、テレビCMで「プロテインダイエット」というフレーズを耳にする機会が増えたからではないだろうか。

 もともとタンパク質は肉類などに多く含まれているが、高タンパクな食品は脂肪分も一緒に含んでいることが多い。そのため、タンパク質を補給しようと肉類をたくさん食べると、脂肪の過剰摂取という不安もある。

 それに比べるとプロテインパウダー(あえてパウダー=粉末とする)は、高タンパクでありながら脂肪分はごくわずか。余計な栄養素を摂らずに、必要なタンパク質を効率よく吸収できるということで重宝することに間違いはない。

 また、あらかじめ消化・吸収しやすい状態に調製されているので、胃腸への負担が小さい上に、短時間で体の組織に栄養が届く。運動前にもタンパク質を補給したい、食事を摂りたいという時に、肉類を食べたら、すぐに激しい運動をするのは無理なはずだ。

 だが、プロテインパウダーなら、運動前に飲むことも可能だし、「栄養の吸収が早い」とされる運動直後にも簡単に摂取でき、素早く栄養が補給される。筋肉の疲労を早期に回復させ、筋肉をつけるという効果は高い。

 そう、プロテインパウダーは筋肉にとって必要なタンパク質を手軽に補給できるが、簡単に筋肉がついたり、痩せたりできる"魔法の粉"でもなければ、ドーピング禁止の筋肉増強剤でもない。

タンパク質をたくさん摂れば健康で強いカラダになれる?

 また、ただタンパク質をたくさん摂っていれば、健康で強いカラダになれるというわけではない。しっかりした筋肉をつくるには、摂取したタンパク質を合成するために、さまざまな栄養素が必要になる。

 その一つが糖質だ。糖質は砂糖やでんぷん質を含んでいる食品=炭水化物などで補給できる。運動後は、とくにカラダを動かすためのエネルギーとして糖質が使われて不足する。タンパク質だけでなく糖質の補給も必要だ。

 また、ダイエットがトレンドの現代では、煙たがられる存在かもしれないが、脂肪もカラダづくりに欠かせない大切な栄養素。細胞膜やホルモンに関連し、不足すると免疫力の低下という影響を及ぼず。ビタミン・ミネラルもタンパク質の同化作用(タンパク質が筋肉に変わること)に必要だ。もともとビタミンやミネラルは、体のさまざまな化学反応を助ける物質として存在する。筋肉の合成にも絶対に不可欠なのだ。

筋肉もダイエットも正しい運動と食事が大事

 プロテイン=タンパク質・糖質・脂質、これを「三大栄養素」と呼び、ビタミン、ミネラルを加えて「五大栄養素」という。プロテインパウダーだけでは、効果が低いことはわかっていただけただろうか。そして、これらの栄養素を摂取するのは、日常の食事が基本だ。食事をないがしろにして、プロテインやサプリメントに頼る、これでは本末転倒だ。

 筋力アップやダイエットにトライする大前提は「健康なカラダ」。その根本は食生活にある。そこで必要な栄養の摂取を心がけ、それでも不足した時や、効率よく摂取したい時に、プロテインパウダーや、ビタミン、ミネラルを含むサプリメントを効果的に使えばいい。

 意外と軽視しがちだが、もう一度、日頃の食事内容を見直してみよう? それだけでも、きっと皆さんのカラダに変化が現れるはず。ぜひ、お試しあれ!


村上勇(むらかみ・いさむ)
フィットネスアドバイザー。JT東京男子バレーボール選手を引退後、現・スポーツクラブ「ルネサンス」に勤務。2007年から「メディカルフィットネス+スパ ラ・ヴィータ」のゼネラルマネージャーとして施設運営に携わる一方、トレーナーとして主婦や高齢者、アスリート(サッカーチーム・モンテディオ山形、加藤条冶:スピードスケート、黒田吉隆:レーシングドライバー)、著名人(指揮者・飯森範親など)を幅広く指導。現在は株式会社ドリームゲート代表として、スポーツチーム・アスリート・企業などを指導、運営協力に携わる。