コスプレ、年下男子、BL…女の欲望“全部入り”のドラマ『アウトランダー』
 ドラマ『アウトランダー』(2014年〜、アメリカ)がAXNで放映中です。Huluでも視聴できますね。これ、漫画脳の女子にめちゃくちゃお勧めです。

 ストーリーは、主人公・クレアが18世紀へとタイムスリップしてしまうというもの。クレアは第二次世界大戦で看護師としてバリバリ働いていました。終戦後、ラブラブの夫とスコットランドを旅行中に、ぼわんと18世紀へと飛んでしまうのです。タイムスリップものは『王家の紋章』(秋田書店)や『天は赤い河のほとり』(小学館)でおなじみですね。女の脳みそに響くこと鉄板です。

◆毎回ケガしてる半裸の年下男を手当てする

『王家の紋章』のキャロルは、20世紀の知識を活かして古代エジプトで活躍しました。クレアは看護師の知識を活かしきって18世紀のスコットランドで重宝されます。だけどね……。

 クレアが活躍するためには、誰か病人か怪我人が必要なわけですよ。みんなが元気ぴんぴんだったら看護師に用はないんだから。で、そのターゲットとして選ばれたのが、年下男子のジェイミーです。

 彼は腕の脱臼から始まり、銃で撃たれ、殴られと、次から次へと怪我をします。そのたびに半裸になってクレアに治療してもらってるんですが、2人はちょっとソワソワと微妙な雰囲気になります。見てる方はドキドキなんだけど、それにしても怪我多くね? 1話につき1回萌えシーンを作るために「ハイ怪我」、みたいな。

 最後のほうなんかもう瀕死ですよジェイミー。ズタボロになって男に襲われてるし(臭そうだけど)。

 その上、クレアは非常に勝ち気で強気なのです。もう少し穏便に済ませられるんじゃないかという展開がいっぱいあります。で、その尻ぬぐいをするのはジェイミーで、また彼が怪我をするという……。

⇒【YouTube】Outlander | First Look Trailer | STARZ http://youtu.be/YnaqypyJDHs

◆サカった高校生のようにやりまくる

しかし序盤のジェイミーはホントかわいくて、近すぎず遠すぎず、クレアを見守ってくれます。このあたりは純情な少年ふうでめちゃくちゃ痺れます。んが、そんな細やかな気遣いや優しさとは裏腹というか、ジェイミー、すげえふかふかマッチョなんですよ。日本人の感覚からすると膨らみすぎです。

 でも、わかりました。あれやこれや痛い目に遭うためにはこれくらい筋肉つけとかないと怪我できる範囲も狭いし、ちょっとむち打たれたくらいで死んじゃうかもしれません。もしもクレアの専門が暗号解読とか焼き物職人だったらジェイミーはジャニ系でOKだったでしょう。

 クレアは元の時代では歴史学者と結婚してます。彼の研究にちょびっと付き合ったおかげで、クレアは18世紀でも予言っぽいこと言ったりしてデキる子になってます。第1話の夫のうんちくを「あー、男のいつもの面倒くさい話ね」と思わずにちゃんと聞いて覚えておくと、あとあとより楽しめるでしょう。ケルト文化には詳しくないけど、作中でいろんなイベントが行われるので、歴史好きにもよさそうです。

 そしてジェイミーの怪我の功名というか、さんざん視聴者を痺れさせたあと、とうとうふたりは結ばれます。で、一度やらかしたらそれはそれはもう猿のようにやり散らかすようになります。個室はもちろん、屋外だろうがなんだろうが、サカった高校生のようです。盛り上がってる最中にトラブルに巻き込まれたりして、ドラマ的にはヤった甲斐があったって言うか。

 とまあ、タイムスリップ、コスチュームプレイ、年下男子、BL、グロと、女の欲望をこれでもかと詰め切って幕の内弁当にした感じのドラマです。

 ひとつ面倒くさいのは、ドラマにはまってやたら「アウトランダー」と検索していたら、GoogleやらYahoo!やらの広告にやたら「三菱 アウトランダー」という車の広告が登場するようになったことです。

⇒【YouTube】Outlander | Disappearance Trailer | STARZ http://youtu.be/YA0aaz8EXRI

 ちなみに、ジェイミーたちスコットランド人は、ドラマ中で英語とゲール語を喋りますが、ゲール語には字幕がつきません。クレアはイングランド人なので、彼女が理解できない言葉は翻訳しないという解釈らしいです。だけどそもそもスコットランド人の英語がほんっっとにやっかいで、「字幕がついてるから英語なのか」と思うレベル。なに言ってんのかほとんど聞き取れません。英語の学習として見るには、ちょっと難易度高めなので注意です。

<TEXT/和久井香菜子>

【和久井香菜子(わくい・かなこ)】
ライター・イラストレーター、少女漫画コンシェルジュ。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。ネットゲーム『養殖中華屋さん』の企画をはじめ、語学テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。街で見かけたおかしな英文から英語を学ぶ「Henglish」主宰。