Doctors Me(ドクターズミー)- 【ハイヒール病&デスクワーク病コラム】Vol.9: ストレッチからはじめる体質改善

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骨盤のトラブルが引き起こす女性特有の症状

前回解説した骨盤底筋群の機能低下だけでなく、女性特有のホルモンも身体に様々な影響を及ぼします。例えば生理前に分泌される黄体ホルモンは、妊娠しやすい状態を作るよう、子宮の収縮運動を抑えるのですが、同時に腸のぜん動運動も抑制するため、便秘気味になったり、ガスでお腹が張ったりします。

また妊娠しなかった場合、プロスタグランジンというホルモンが子宮を収縮させて剥がれた子宮内膜を押し出すのですが、同時に腸も収縮させて、今度は下痢をしやすい状態となります。このようにホルモンにはそれぞれ特有の働きがあります。一部のホルモンには出産しやすいように骨盤周辺の靭帯や筋肉を緩める働きをするものもあり、それが緩んで歪んだまま固定化されると、それもまた腹痛や腰痛の原因となってしまうのです。

女性の身体の中では、様々なホルモンの分泌が、約28日周期で行われています。このドラスティックな変化を男性もよく理解しておくべきです。男女関係なく気分や機嫌の変動は、身体の健康状態に大きく左右されると思いますが、女性はその変動の機会が多く、幅も広いのです。男性は、女性の体の中では絶え間なく変化が起こっていることを認識し、いざこざがあっても「まっ、しょうがないか」という寛容な心で笑って済ませられるようになって欲しいと思います。

さて、ホルモンの分泌や循環異常で、生理痛などの「痛い」「だるい」という不快な症状が現れると、どうしても動きたくなくなるでしょう。しかし動かなければ、筋肉量は落ち、基礎代謝が下がり、太りやすい体質になっていきます。太ると更に動きたくなくなります。身体の中では、脂肪の膨張により血管やリンパ管が圧迫され、骨盤の歪んだ状態で身体が固定化されていくことで、ホルモンの流れは更に悪くなっていき、生理痛も悪化していきます。するとますます動きたくなくなる、という悪循環です。

身体を健康な状態に保っておくことは、心を健康な状態に保つ大きな要素であり、自己管理できる最初の一歩なのです。今回は、家庭でできる骨盤周辺の血流改善に有効なストッチを2 つご紹介します。

太腿の前と後ろを交互に伸ばすストレッチ


1.まずが基本姿勢。片膝を立てた状態でリラックス。
2.お尻をゆっくりと後ろに引いていく。腿裏に伸び感があればOK。バランスがとりにくければ手をついても大丈夫。
3.足首の角度、つま先の方向、骨盤の前後傾の具合で、伸び方、伸びる位置が変わってくるので、自分が心地良いと 思うポジションを探して、深呼吸&リラックスをして20秒〜30秒キープ。
4.腿の付け根を前方に押し出す感じで重心を前に移動させる。ヘソの下から弓なりに前腿が伸びているイメージで。
5.前腿に伸び感を得られたら、深呼吸&リラックスで20秒〜30秒キープ。基本姿勢に戻り、もう一度腿裏のストレッチへ。2セットから3セット行うとより効果的。

ぜひとも試してもらいたい臀部のストレッチ


1.右膝を折り、右足首を左腿に当てる感じで脚を組んだ状態で左腿を両手で掴み引き寄せる。右の臀部にストレッチ感があればOK。
2.左腿を引き寄せつつ、右肘で、右膝を押すと違うストレッチ感が得られる。深呼吸&リラックスで20〜30秒行い、脚を組み替えて、反対でも同じく20〜30秒行う。左右2〜3セット行うと効果的。

ストレッチの主な効用としては、まず、血液、リンパの流れがスムーズになり、免疫力が高まります。細胞への栄養と酸素の供給量が変わってくれば、体質も改善され、慢性的な肩こり、腰痛、ひざ痛、便秘、冷え性、むくみなどの予防にも有効です。また、筋肉、腱、骨の新陳代謝を活発にし、身体全体の柔軟性や筋機能が改善されます。動かしやすくなった身体だと、自然と活動量が増えるので、ダイエット効果も期待できます。

さらに深い呼吸と合わせて行うと、副交感神経の働きを有効にし、ストレスを緩和させ、不眠、イライラなどの解消にも役立ちます。

ストレッチは毎日行って欲しいエクササイズの1つです。何もしなければ、加齢とともに身体は縮まり、姿勢も悪くなっていきます。不良姿勢になると、血管や神経、内臓が圧迫され、体調不良の原因となります。出来る範囲内でいいのでストレッチを習慣付けて、正しい姿勢の保持と、体調管理のきっかけにしてください。

〜パーソナルトレーナー:生西 聖治〜