Doctors Me(ドクターズミー)- 【ハイヒール病&デスクワーク病コラム】Vol.3: 連鎖していく不良姿勢と痛み

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ハイヒールを長時間履いた身体はどうなっているの?

ハイヒールを長時間履き、腰が圧迫されている状態が続くと、腰のクッション性が失われている分、歩くたびに腰に負担が掛かります。腰の筋肉の過緊張や疲労で痛みが生じ、自然と骨盤を後傾させたくなります。するとバランスを保つため、膝は曲がり、猫背にもなり、姿勢が乱れるのです。
下の写真のような、どんよりした姿勢の女性を夕方ごろ見かけたことはありませんか?

膝が曲がれば太ももの前の筋肉を主に使う事になるので、今度は腰より前腿が疲れます。また、疲労が抜けきらず、毎日この姿勢でいると膝の関節に痛みが生じ始めます。更に元々は腰、お尻、前腿、ハムストリングス で、分散して支えている身体を、前腿ばかりで支えるようになるから、当然前腿は太く固くなってしまいます。これに猫背が加わると、顎を突き出さなければバランスが取れないため、頸椎を圧迫し、頭痛や鬱の原因にもなります。1つの不良姿勢が連鎖し、身体のあらゆる箇所、場合によっては精神に不具合を起こす結果となるのです。身体を動かす大前提として、身体が正常なポジションにあって健康である、ということは重要な要素なので、日々のコンディショニングを少しずつでも行って欲しいと思います。

「見栄えが良くなるかどうか?」「クビレが出来るかどうか?」も大切ですが、筋肉の硬縮をリセットしてやることも、やはり美と健康の追求には大切なのです。放置すれば下半身だけでなく、全体の血流が悪くなります。血流は全ての病気に関係していると言えるぐらい、健康維持、つまりは美の維持には大切なのです。細胞に常に新しい酸素と栄養素が運び込まれ、老廃物が運び出されるフレッシュな状態を保てば、細菌やウィルスなどの外敵にも強くなります。それは細胞が傷つきにくく、作り直す回数やエラーの起こる回数が少なくて済む、つまりは細胞が老いにくくて済むという意味です。
勿論それには今回テーマにしているハイヒールやデスクワークだけでなく、全身を見ていく必要がありますし、栄養学的な問題もあります。ただ「大きい筋肉が集中している事」「上下を繋ぐ大切な運動器官である事」「また様々なホルモンを分泌する子宮と靭帯で繋がった個所である事」などから、特に女性にとって、骨盤周辺の筋バランスを正常に保つことの重要性は高いのです。

医者や漢方で治るかどうか?

恐らく多くの女性は本人が気付かないうちに、骨盤の歪みが原因で、冷え性や生理痛をはじめとする、ウィメンズヘルスの異常に悩まされていると思われます。それらを治すのに漢方やサプリメント、或いは医者に掛かると思うのですが、不良姿勢が原因の場合、いくら内科や産婦人科で薬をもらっても根本的な解決にはなりません。一時的に症状は治まるかも知れませんが、逆に副作用の方が強く現れたり、何度も同じ症状を繰り返すことで、薬に依存し、抜けられなくなったりするケースもあります。この先、一生経験する痛みや不快感に対するストレス、医療費や時間のことを考えれば、今すぐに姿勢と食習慣を改善した方が、結果的に時間もコストもストレスも掛からないのです。

ハイヒール病の人がまずやるべきことは?

まずやるべきことは収縮しっぱなしで縮んでいる筋肉、或いは眠っている筋肉に刺激を加え、動きを取り戻してやることです。逆に使われ過ぎて疲労している筋肉は十分にストレッチや圧を掛けて解してやります。それを考慮せずに最初からジョグや筋トレを行うと、縮まっている筋肉や、眠っている筋肉の代わりに働いている筋肉ばかりが使われて、その部分だけ太くなったり、更に疲労が溜まったりして、体型の乱れや不良姿勢の強調、関節の痛みに繋がります。

筋肉や筋膜を正常な状態に戻すまでは時間も期間も掛かります。場合によっては汗が滲んでくるような痛みもあるでしょう。それは何年もの間、自分の身体と対話せず、放置してしまっていた自分への罰だと思って受け入れてください。習慣化すれば苦ではなくなりますし、筋肉の働き方や、つき方が変わってくることで、体型も変わり、浮き輪状の脂肪も徐々にとれてきます。その身体のラインが整った状態を維持すれば今度は理想の体型が固定化されてきます。

勿論身体の機能も向上しているので、動きやすいし、疲れにくいし、風邪などもひきにくい状態にもなっています。何でも「加齢」のせいにする人もいますが、年を重ねても美しい体型を保っている人はたくさんいます。それは「加齢が不良姿勢の直接的な要因ではなく」、「努力次第で、誰でも美しい姿勢を作れる」証でもあります。美しく、かつ機能的な身体作りのためにもセルフコンディショニングは必要なのです。次回のコラムではハイヒール病対策にやるべきストレッチ&エクササイズを紹介いたします。

〜パーソナルトレーナー:生西 聖治〜