Doctors Me(ドクターズミー)- 【Dr.野菜ソムリエのコラム】vol.9: 抗酸化物質の宝庫 赤ピーマン

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赤ピーマンの色の正体は・・・?

夏の野菜がみずみずしさを増してくる季節ですね。
今回とりあげる赤ピーマンも今が旬で、甘みやうまみの中に、ほのかな酸味も感じられます。

さて、ここで、赤ピーマンの色にも関係する問題です。

次の(1)-(5)の色のうち、4つは同じ系統の色素物質によるものですが、1つは異なる色素物質によるものです。その1つとはどれでしょうか?

(1)赤ピーマンの赤色
(2)秋にみられるもみじの赤色
(3)秋にみられるもみじの黄色
(4)エビを加熱したときの赤色
(5)フラミンゴの羽のピンク色

答えは・・・

(2)もみじの赤色です。
もみじの赤い色は、アントシアニンという色素物質によるものです。

ほかの4つはカロテノイドという色素物質によるものです。
フラミンゴの羽の色づきは、カロテノイドを含む餌によります。エビについては、本来カロテノイドと結合していたたんぱく質が加熱により変性するため、カロテノイド本来の色が見えてくるのです。

カロテノイドの色素で彩られた赤ピーマンの栄養素について、少しお話ししましょう。

老化に抵抗して抗酸化物質の宝庫に

緑色のピーマンは開花後15-20日で収穫できますが、収穫せずにいた場合、約60日で果実全体が赤くなります[※1]。

収穫までに時間がかかるということは、老化が進むということです。
ピーマンが長く生きている間に、ピーマンの組織に活性酸素種というものが蓄積します。これがピーマンをさらに老化を促します。

しかし、ピーマンには、活性酸素種を無害な物質に変えるのに必要な抗酸化物質、すなわちビタミンCやカロテノイドを作り出すしくみが備わっています。

そして、ピーマンがが自身を守るために獲得した抗酸化の力(抗酸化能と呼びます)が、ピーマンと同じように私たちの身体のことを守ってくれるのです。

たとえば・・・
肉や魚に含まれる2級アミンは保存料として使用される亜硝酸と体内で反応します。すると発がん物質が生まれ、結腸がんを誘発します。
しかし動物実験では、その発がん物質の存在するところでも、赤ピーマンジュースの摂取によって発がんが抑えられることが確認されました[※2]。

赤ピーマンには、カプサンチンをはじめ、少なくとも7種類のカロテノイドが含まれます。これらは、がん予防だけでなく動脈硬化を防ぐHDLコレステロールを上昇させたり、糖尿病予防にもなる脂肪細胞から分泌されるホルモン(アディポネクチン)を増やしたりと、身体にとってうれしい役割を持っています[※2]。

ソースでも活きる赤ピーマンの甘味!

今回は、メカジキのグリルに旬の丸オクラを添え、赤ピーマンのソースをかけました。

赤ピーマンを焼いて表面に焦げ目をつけ、水にとって皮をむき、炒めた玉ねぎとともにミキサーにかけます。

このソースの味つけとして、塩、薄口醤油、ウスターソース、トマトケチャップなど、お好みに合うものをいろいろ試してみてください。
コクのある赤ピーマンソースにしたい場合は、煎った松の実やくるみと一緒にミキサーにかけてもいいかもしれません。

赤ピーマンの甘味とほのかな酸味が活きるので、ソースにしても魚料理や肉料理によく合います。ぜひご家庭でお試しください!

〜医師:吉田 菜穂子〜

脚注

[※1] 今堀 園学研 2007;6(2):169-175.
[※2] Maeda H et al. ISRN inflammation.2013; article ID 763758 9pages
[※3] Narisawa T, et al. Proc Soc Exp Biol Med.2000;224:116-122.